アルバ会社説明会



第14号  冬になるとインフルエンザに気をつけて

2002/11/20

今年は、秋の季節感が短く、夏から直ぐに冬が来たという感じがします。この冬になってから当薬局には、まだインフルエンザにかかってお見えになった患者様はいらっしゃっていませんが、いつも冬が近づくと話題になるのが「インフルエンザ」です。
実際の流行は12月から3月にかけてですが、「インフルエンザ」がどういうものなのか少し詳しくご紹介します。



1.インフルエンザウイルスについて

インフルエンザウィルスって1つじゃないの?
インフルエンザウイルスは、A・B・C の3型に分けられ、このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型だけです。 C型は人間にもかかりますが、流行することはないようです。A型はさらにH(15種類)とN(9種類)で細かく分けられています。B型やC型には亜型はありません 。

特徴
A型 : 熱などの症状が強いことが多い
B型 : 胃腸症状を伴う頻度が高い

現在地球上で流行しているヒトに感染するウイルスの型は以下の3種類です。

・A型 H1N1 --- Aソ連型
・A型 H3N2 --- A香港型
・B型 
香港型やソ連型といった命名は、そのウイルスが出現した当初に大きな流行を起こした地名あるいは国名のことです。
それなら、この3つの型に対して抵抗力ができればインフルエンザには2度とかからないような気がします。
しかし、同じA型H1NとかA型H3N2でも微妙な違いがあり、人間の免疫能力がそれらに完全にはうまく対応できなのです。
そのため、去年インフルエンザに罹っていても、今年のウイルスが”同じ型だけど微妙に違うウイルス”であれば、やっぱり罹ってしまうのです。

その年流行するウイルスはどうやってわかるの?

インフルエンザの流行は、世界中ほぼ同じウイルスが原因!!
これは人間が飛行機で世界中を移動していることも原因のひとつ。しかし、もっとも大きな原因は、渡り鳥がウイルスを運んでいるということです。インフルエンザは人間だけでなくトリやブタにもかかるのです。
この”同じ型だけど微妙に違うウイルス”がどんなものなのかは、日本だけでなく世界中が研究していて、夏冬が逆の南半球のインフルエンザウイルスや、渡り鳥がかかっているインフルエンザウイルスから、WHO(世界保健機構)が今年流行しそうなウイルスを発表しています。日本のインフルエンザ予防接種も、この発表に基づいて作られています。

 

2.インフルエンザの症状・診断

診断のキーワード
*突然発症
*高熱(38℃以上の熱)
*せき・鼻汁・のどの痛みなどのかぜ症状(かぜよりも重い)
*全身がだるくなる(頭痛、腰痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠)


潜伏期間は1日〜5日(平均2日)で、強い症状は3〜4日続き、1週間ぐらいで治ります。A型の方がB型よりも症状が強い場合が多く、B型は胃腸症状が起こりやすいようです 。

インフルエンザかどうか厳密にチェックしようと思えば、鼻汁を綿棒で少しとって調べる検査方法があり、10分位で結果が出ます。ほとんどの医院・病院で検査をして頂けます。
しかし、体の抵抗性が低い高齢者や小児では、インフルエンザかどうかよりも、肺炎になっているかどうかが問題であり、レントゲンや血液検査の方が重要となります。
また、小児のインフルエンザ脳炎・脳症も、事前にインフルエンザだとわかっていても完全に防げるわけではなく、インフルエンザかどうかの検査はそれほど必要性があるわけではありません。



3.インフルエンザの治療

一般的な治療は、普通のかぜと同じようなものです。熱には解熱剤、せきにはせき止め、鼻汁には抗ヒスタミン剤(鼻汁やアレルギーを押さえる薬)、を処方し症状を抑えるということです。抗生物質も処方することが多いですが、抗生物質は細菌を殺す薬であって、インフルエンザウイルスをやっつける作用はまったくありません
それでは、なぜ抗生物質を処方するのかというと、
インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなります。このような細菌の混合感染により肺炎や気管支炎などの合併症に対する治療として抗生物質が使用されます。

インフルエンザウイルスに効く薬はないの?

抗ウイルス薬は体内でインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬で、 病気の期間と症状の重さを軽減する効果が優れています。ただし、治療効果をあげるためには症状が出てからなるべく早く服用する事が大切。インフルエンザウイルスは体の中で急激に増える特徴があり、早期であればあるほど、体の中のウイルス量が少なくてすむからです。
2日以内に服用を開始すれば、自覚症状の期間を30%(1.5日から3日) 短縮でき、症状は20〜60%軽くなります。さらに、合併症を併発するリスクも半分以下になります。ただし、インフルエンザ以外にはまったく効果はありません。 現在、保険適用になっている抗インフルエンザウイルス薬は、以下の3種類です。

・シンメトレル
従来は精神活動改善剤・パ−キンソン症候群治療剤として許可されていたものですが、 抗A型ウイルス剤としても認められました。

・リレンザ
吸入薬でA型・B型のウイルスに対するに対する抗ウイルス作用があります。

・タミフル
A型・B型のウイルスに対するに対する抗ウイルス作用があります。


4.インフルエンザと鎮痛解熱剤の問題

鎮痛解熱剤の使うときには注意が必要です。まずサリチル酸系の薬は、インフルエンザの場合には、15歳以下の子供は原則的に使ってはいけないといわれています。
主なものはアスピリンとサリチルアミドです。 なお、市販の解熱鎮痛薬やかぜ薬の一部にはアスピリンなどの解熱鎮痛成分を含んだものがありますので、注意してください。 お薬の成分については薬剤師にご相談ください。
なお、水痘(水ぼうそう)の場合にも、同様の注意が必要です。
サリチル酸系の薬以外の鎮痛解熱剤に関しては、大人の場合は大きな問題はないようですが、小児の場合、強い解熱剤(インフルエンザ脳炎の項参照↓)はインフルエンザ脳炎・脳症の頻度が高いといわれています。

インフルエンザ脳炎

1歳台をピ−クに、0-5歳のこどもがかかる確率が高いことがわかっています。一度インフルエンザ脳炎・脳症になってしまうと、予後はかなりよくありません。
主な症状は意識障害とけいれんで、インフルエンザの発症から脳炎・脳症になるまでは平均1.4日と短く、熱が出始めてから1〜2日で重症な状態になるといわれています。
小児の場合、インフルエンザにかかっている時は強い解熱剤はインフルエンザ脳炎・脳症の頻度が増加することが明らかになりました。
特に、ジクロフェナクやメフェナム酸などの使用は注意が必要です。また、ジクロフェナクとメフェナム酸については厚生労働省より緊急安全情報が出されてインフルエンザには使用禁止となりました。
アセトアミノフェンはについては脳炎発症との関連性はないとされています。 お薬の成分については薬剤師にご相談ください。

インフルエンザにかかったと思った時は、まず医師の診察を受けることが一番です!!



5.インフルエンザの予防接種

流行しているウイルスは同じ型でも毎年少しずつ微妙に変わっているため、予防接種が明らかに有効なのは受けたシーズンだけです。
また、予防接種のしっかりとした効力は約半年ぐらいのもので、まったく同じものが流行したとしても、翌年に十分な効果はないと思われます。
65歳以上の方と5歳以下のこどもは予防接種が特に必要です。
65歳以上の方に関しては、インフルエンザに罹ったとしても軽くすむため、肺炎になる確率が激減します。
5歳以下のこどもに関しては、インフルエンザ脳炎・脳症になる確率が減少することが期待できます。


6.予防接種を受ける回数と間隔


ワクチン(A型H1N1とA型H3N2とB型の3種類が含まれる混合ワクチン)の接種は、通常2回で1〜4週の間隔で行われます。13歳以上の人は、1回の接種でも十分効果は期待できます。

12歳以下のこどもは、今までにインフルエンザにかかった経験が少なく、インフルエンザに対する免疫力が非常に少ないことが考えられます。このため、1回の予防接種だけでは十分な免疫力が得られないため、きちんと予防接種を2回受けることが必要です。

13歳以上の人は、1回または2回の接種ということになっています。これは13歳以上になると、ある程度からだの中にインフルエンザウイルスに対する免疫(ウイルスをやっつける力)があるためです。

しかし、受験生とか、喘息など気管支に持病のある人などは、2回接種の方が安心です。

ワクチンの接種は、2回行う場合は1〜4週の間隔で行うことになっています。ある程度の間隔をあける必要があるのは、体の中で免疫力がつくのに時間がかかるからです。1回に2倍の量を接種しても、免疫力は1回分しかつきません 。

アルバ薬局 みてじま店 管理薬剤師 : 桾本 愛子

copyright(c)2006 alba-pharmacy, all right reserved.