アルバ会社説明会



第16号  骨粗しょう症 

2003/01/20

旧年中は、「アルバ薬局ホ−ムペ−ジ」および「処方せん豆知識」をご愛読頂き、誠にありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年、第一号の「処方せん豆知識」は「骨粗しょう症」について書かせて頂きます。
今年のお正月は、皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか。この冬は暖冬だと聞いていましたが、神戸地区のお正月は、元旦は、曇っていましたが暖かく穏やかな日だったと思います。2日以降は、打って変わって寒さの厳しい日が続きました。また、こちらでは、年末からインフルエンザが猛威をふるっていて、この処方箋豆知識でもご紹介しました「抗インフルエンザウイルス薬」が、生産が追いつかず品薄状態で困っています。しかし、インフルエンザにかからなければ、抗インフルエンザウイルス薬の必要もないわけですから、予防が一番です。


  外から帰ったら必ず、手洗い・うがいをする。
 
バランスのよい食事と十分な睡眠で体力を低下させない。
 
部屋に加湿器などを置き、空気の乾燥に気をつける。
 
インフルエンザにかかっている人には、なるべく近づかない。
 
かぜの前兆らしきものがあったら、夜ふかしなどの無理をせず、安静に努める。

以上のようなことに注意をして、インフルエンザにかからないようにして下さい。しかし、突然の高熱や通常のかぜより強い鼻水・せき・のどの痛み・頭痛・関節痛・筋肉痛などの症状が出た時は、インフルエンザの疑いがありますので、出来るだけ早くお医者様に受診するようにして下さい。詳しくは、処方せん豆知識第14号「冬になるとインフルエンザに気をつけて」をご覧ください。
前置きはこのぐらいにして、本題の「骨粗しょう症」のお話しにうつります。


 骨粗しょう症

私たちの骨は、18歳ごろをピークに年をとるごとに少しずつ減っていきます。
骨量の減少自体は生理的現象ですが、骨量が2〜3割も減ると骨の構造自体が弱くなり、その結果として骨折を起こしやすくなった状態や骨折してしまった状態を骨粗しょう症と呼びます。
骨量の減少は、主に骨の中のカルシウムの減少によってもたらされるものです。



 症 状

症状は、深く静かに進行していきます。自覚できるほどの症状が現れるのは、女性では更年期を過ぎてからです。背中や腰の骨(脊椎)の一部がスカスカになり、軽くぶつけたり、転んだりするようなささいな外圧でも骨がつぶれ、腰や背中が痛みます。このように骨がつぶれることを圧迫骨折といいます。


 原 因

からだの成長が止まると、骨は変化しないように見えますが、実はたえず新陳代謝を繰り返しています。 つまり、丈夫でしなやかな骨を保つためには、常に古い骨をこわし、新しい骨に作り変える必要があるのです。
その新しい骨のもとになるのがカルシウムなのです。
カルシウム摂取が不足したり、からだが老化して骨をつくるためのホルモンが不足してくると、骨をつくる量よりも骨をこわす量の方が多くなってしまいます。
また、骨は、からだを支える柱やからだを動かすために必要なものですが、同時にカルシウムの貯蔵庫としての働きもあります。
血液中のカルシウム量は、全身の骨に含まれるカルシウムの約1%に相当します。
しかし、この血液中のカルシウム量が減少すると、生命維持に必要な心臓や脳が正常に働かなくなってしまいます。そこで、食事中のカルシウムが不足すると、不足分を骨から取り出して、血液中のカルシウム量を一定に保とうとする働きがおこります。カルシウムをいつも骨から取り出していると、骨のカルシウム量(骨量)が減少してしまい、骨がスカスカになってしまうのです 。



 予 防

骨粗しょう症にならないためには、骨を強くしなくてはなりません。
最も大切なことは、日頃の食生活と生活習慣を見直すことです。つまり、骨粗しょう症の予防の原則は、食事・運動・日光浴です。


 食 事

日本人の食生活で、唯一不足しているのはカルシウムといわれています。
1日に600mgの摂取が理想的といわれていますが、実際の摂取量は600mgを超えていません。
特に、骨をつくるべき10代後半の摂取量は444mgにすぎず、20代の女性でも496mgしか摂取されていません。
このため、若い世代にも骨粗しょう症は増えているそうです。


◇ カルシウムを多く含む食品

牛乳は、カルシウムが豊富で吸収率も40〜70%と高く、効率的にカルシウムを摂取できる食品です。
乳製品のチ−ズやヨ−グルトなども同様です。干しエビ・シラス・ジャコ・ヒジキなども含有量が高く、小松菜はホウレンソウの3倍のカルシウムを含みます。
カルシウム=牛乳というイメ−ジがあり、私たちの薬局にお見えになる患者様でも、カルシウム補給のために牛乳をがんばって飲んでおられる方がたくさんいらっしゃいます。よくあるご質問で「牛乳を飲むと、下痢をしたり、軟便になったりするのですが、やっぱり飲んだ方が良いでしょうか?・・・・・・・・」 このように、日本人には牛乳がからだに合わない方が大勢おられるようです。下痢をしてしまったら、せっかく食べたものまで有効に吸収されずに排泄されてしまいます。牛乳を飲んでこのような症状が出る方は、主治医の先生とよくご相談されて、他のものでカルシウムの補給を工夫してください。


◇ ビタミンDがカルシウムの吸収を助ける

カルシウムは乳製品・大豆製品・小魚・緑黄色野菜・海草などに多く含まれています。
カルシウムは吸収されにくい栄養素ですが、良質のタンパク質やビタミンDを多く含む食品と一緒にとると、吸収がよくなるといわれています。
特に、イワシやサンマはカルシウムもビタミンDも豊富でカルシウムを多く含む食品と合わせて食べるとより一層効果的です。

◇ 大豆にはこんな働きも

骨粗しょう症の原因の一つに女性ホルモンのエストロジェンが不足するためであることが知られていますが、大豆には、イソフラボンというフラボノイドが含まれています。そのイソフラボンは、エストロジェンに似た構造をしており、別名「植物エストロジェン」ともいわれ、代替ホルモンとしての働きが骨粗しょう症の予防に役立つといわれています。
また、大豆は、タンパク質やビタミンB群を豊富に含み、まさに「畑の肉」と呼ばれるにふさわしい栄養価の高い食品です。良質の不飽和脂肪酸を含みますので、動脈硬化の予防にも働きます。 大豆に含まれる脂質は、その多くがリノ−ル酸ですが、リノ−ル酸は酸化されやすい脂質といわれています。しかし、大豆には、抗酸化作用の強いビタミンEが豊富に含まれていますのでご安心ください。
最近では、大豆製品の「納豆」のネバネバが血栓症に効果があることも知られています。納豆特有の成分の「ナットウキナ−ゼ」に血栓(血管の中にできる血のかたまり)を溶かす作用があることが確認されています。つまり、心筋梗塞や脳梗塞の予防にも役立つということです。 その他、大豆には様々な作用が知られています。食生活に上手に取り入れたいものですね 。

カルシウムを多く含む食品 ビタミンDを多く含む食品
食品 単位量 mg 食品 単位量 IU
牛乳 200cc 200 サンマ 100g 760
プレーンヨーグルト 100cc 115 まいわし 1匹 200
スライスチーズ 1枚 125 さば(生) 100g 400
プロセスチーズ 1切れ25g 170 干ししいたけ 6g(2枚) 40
まいわし 1匹 40 しらす干し 5g 120
丸干しいわし 1匹 350 さけ(生) 100g 880
ちりめんじゃこ 10g 220 かれい(生) 100g 520
干し桜えび 8g 160 うなぎ蒲焼き 100g 760
乾燥ひじき 10g 140 卵黄(生) 1個 40
小松菜 80g 232 きくらげ 10g 1600
納豆 50g 45
(40 IU = 1μg)
豆腐 150g 180
調整豆乳 200cc 65

◇ 注意した方がよい食品

スナック菓子・インスタント食品・炭酸飲料などには、リンが多く含まれています。リンは、からだに必要な栄養素ですが、とりすぎるとカルシウムの尿中への排出を促進するだけでなく、カルシウムの腸管からの吸収をさまたげます。これらの食品のとりすぎには注意しましょう 。

◇ 過激なダイエットは、骨にも影響します

過激なダイエットをして栄養不足におちいると、骨にも影響をおよぼします。骨の健康に必要なカルシウムが少なくなるだけでなく、お腹がすいたのをがまんすると、ストレスがたまり、尿中にカルシウムが必要以上に排出され、骨量が減ってしまいます。
また、若い女性で過激なダイエットのため生理が止まってしまうことがありますが、これは女性ホルモンが正常に分泌されないからで、骨の生成に必要なエストロジェンも減少してしまいます。むやみなダイエットは年齢以上にからだに年をとらせてしまうことになります 。

 運 動
骨に負荷を加えることで骨の形成サイクルが活性化され、体内に入ったカルシウムが有効に使われ、骨量が増えることがわかっています。骨を強くするための運動として重量挙げが良いといっても、一般の方が日常出来るものではありません。散歩やゲ−トボ−ルなどの軽い運動を毎日続けることが大切で、家事で毎日こまごま動くことでも骨をじょうぶにすることが出来ます。また、腰痛症や膝の持病がある方はプールでのウォーキングなども利用すると良いでしょう。同時に、適度な運動は、骨を支える筋肉もじょうぶにしてくれます。

 日光浴
カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDは、人間の皮膚が日光の紫外線を浴びることでつくられます。日光浴は、骨粗しょう症の予防にとってとっても大切なことです。夏なら木陰で30分ぐらい、冬なら1時間程度の日光浴で十分です。ガラスは紫外線をあまり通さないので、窓越しの日光浴はあまり効果がないといわれています。


 まとめ

『骨粗しょう症』は加齢とともに進行する病気ですが、生活習慣を見直すことで進行を遅らせることができる病気だと思います。特に、閉経期以降の女性は、自覚症状が何もなくても整形外科で骨量を量って自分の骨量を知っておくことをお勧めします。骨粗しょう症が原因で骨折などを起こさないように専門医の先生とよく相談されて、適切な治療と、運動療法・食事療法をうまく取り入れ、いつまでも健康な骨を保ちましょう!



〈お願い〉
この処方せん豆知識のコーナーは、できるだけ皆様のお声を反映した内容でお送りしたいと思っております。お薬のこと、病気のことなど、このコーナーで取り上げて欲しいテーマがあれば、お気軽にメールを送信して下さい。また、アルバ薬局ホームページの内容についてのご意見・ご感想なども併せてお待ちしています。


株式会社ア ル バ 代表取締役 横田 裕昭

copyright(c)2006 alba-pharmacy, all right reserved.