アルバ会社説明会



臨時号  花粉症の治療 

2003/02/04

処方せん豆知識は、毎月20日に更新しています。今号は、特に臨時号として「花粉症の治療」についてふれたいと思います。

花粉症については、処方せん豆知識 第5号で「花粉症対策まめ知識」と題して、日常生活においてできる自己予防の方法や花粉の種類・かぜと花粉症の違いなどについて書かせていただきました。
今回、特に臨時号として「花粉症の治療」を取り上げた理由は、今年は前年の気象状況から予想すると関東〜東海〜近畿にかけて、スギ花粉が大飛散する可能性があるといわれているからです。

既に、今の時期スギ花粉は飛散しており、2月の中旬以降からピ−クをむかえます。

花粉症を軽くすませる一番の方法は、早めに対策を立て、事前に治療薬を服用しておくことです。今号では、特に花粉症の初期療法にしぼって解説させていただきます。
例年、花粉症でお困りの方は、症状が出てからあわてて耳鼻科に駆け込むのではなく、症状が出る前から専門医にご相談されて治療を開始すれば、花粉症の症状を軽くすることができます。

例年、花粉症でお困りの方は、とにかく1日も早く専門医に受診することをおすすめします。


 花粉症の基礎知識

花粉症は、アレルギ−反応のひとつで、アレルギ−性鼻炎ともいわれていますが、アレルギ−をおこす原因物質(抗原)の種類によって、大きく2つに分類されます 。


◇ 通年性アレルギ−性鼻炎

ダニ・ハウスダスト・ペットの毛・フケなどが原因となり、1年中症状がある。

◇ 季節性アレルギ−性鼻炎

症状が季節性で、原因となる花粉の飛ぶ季節だけ症状が現れる。 一般に、「花粉症」は季節性アレルギ−性鼻炎のことで、原因となる花粉が飛散する時期(処方せん豆知識第5号参照)にのみに症状がでることが特徴です。

しかし、実際には両者の合併型も多いようです 。


 症 状

3大症状:くしゃみ・鼻水(水様性)・鼻づまり

花粉症の場合は、上記の症状にくわえ目の症状(かゆみ・涙・充血など)があることが多く、その他、のどや皮膚のかゆみ・下痢・熱っぽさなどの症状を伴うこともあります。
また、シラカバ・ハンノキ・イネ科植物などの花粉が原因で花粉症を起こす人の中に、果物を食べると口の中がかゆくなり、腫れるなどの「口腔アレルギ−症候群」を起こす方があります。
このように、口の中の症状が現れる時は、何が原因なのかを知るためにくわしい検査を受けることをおすすめします。


 アレルギ−症状が起こるメカニズム

人体には、外部から侵入してくる異物(抗原)に対して、その物質に対抗する働きのある物質(抗体)を作り出して、からだを守ろうとする免疫機能(抗原抗体反応)がそなわっています。
この免疫機能は、からだを異物から守ろうとする働きをするはずなのですが、時と場合によっては、人体に不快な症状をまねき、さまざまな病気の原因となることもあります。
つまり、免疫機能は、細菌やウイルスなどのからだに良くない異物(抗原)を倒すことが本来の役割なのですが、例えば、スギ花粉のようにからだに害のない物質にも異常に反応してしまい様々な不快な症状を引き起こすことを、アレルギ−といいます。

花粉症の場合は、アレルギ−を引き起こす原因物質=抗原(例えば、スギ花粉)が鼻に入ってきた時、くしゃみで追い出し、鼻水で洗い流し、鼻づまりで中に入りにくくします。
このようなからだの反応は、目的にかなった生理反応なのですが、症状がひどい場合には生活に影響をおよぼす場合もあり、適切な治療が必要になります 。



 花粉症が起こるメカニズム

花粉(抗原)が体内に入ってくる
白血球の一部が抗体(IgE抗体)を作りだす
肥満細胞(※1)の表面にIgE抗体が付着し蓄積される
※ 1. 鼻粘膜の中にあり、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質で満たされた細胞。からだの肥満とは関係ありません。
再び花粉(抗原)が体内に入ってくる
花粉(抗原)がIgE抗体と反応し、肥満細胞が活性化されヒスタミンなどが放出される
ヒスタミン
 
ロイコトリエン
↓↓↓
↓↓↓
神経を刺激→くしゃみ・鼻水
 
血管を刺激→鼻づまり

IgE抗体は、花粉(抗原)と接触を繰り返すうちに体内に蓄積されていきます。
このIgE抗体の蓄積が一定の水準まで達すると、花粉症が起こる条件が整った状態になります。このような状態で、再び花粉(抗原)が体内入りIgE抗体と結びついた時に花粉症が現れます。
また、IgE抗体が生まれつき作られやすい体質の人がいますが、このような体質をアレルギ−体質といい、花粉症だけでなくアトピ−性皮膚炎や気管支喘息とも深く関わっています。 抗原である花粉がくり返し鼻腔内に入ってくると、鼻粘膜では肥満細胞以外の炎症細胞も多くなり、症状が強くなり長く続くようになります。(慢性化)
くしゃみ・鼻水と鼻づまりでは、原因が異なりますので、用いるお薬も違ってきます 。



 花粉症の治療薬

花粉の飛散が少なく症状がでる前から抗アレルギ−薬(内服薬・点鼻薬・点眼薬)を使用することで、花粉の飛散がピ−クに達する時期に症状を軽くすることができます。

今から治療を始めよう!!

◇ 初期療法

症状がでる前から治療を始める
初期療法により、そのシ−ズンの花粉症の症状が軽くなる場合が多い。

◇ 初期療法に用いる代表的な薬剤

1. 第2世代抗ヒスタミン薬
第1世代抗ヒスタミン薬で起こる眠気・口の渇きなどの副作用が非常に少なく、メディエ−タ遊離抑制作用も併せ持つ。 花粉症の初期(花粉飛散前)から終期(花粉飛散終了時期)までの服用が一般的になっている 。

2. メディエ−タ遊離抑制薬
抗原抗体反応が起きても、肥満細胞から化学伝達物質(ヒスタミン・ロイコトリエンなど)が放出されるのを抑える薬。充分な効果が期待できるのに2週間位の期間が必要。

◇ 花粉症と点鼻薬

血管収縮薬の入った点鼻薬
拡がった血管を収縮して鼻づまりの症状を軽くする薬ですが、常用には注意が必要です。
薬局で購入でき、即効性が期待できるものとして、血管収縮剤が入った点鼻薬がよく使われます。常用していると、気づかない間に鼻粘膜の変化を起こし、難治性の鼻炎(慢性化)につながることもあるため適切な指示により使用することが大切です 。

抗アレルギー作用+抗ヒスタミン作用のある点鼻薬の使い方
花粉症で受診したときに、特によく処方される薬としては、抗アレルギー薬(ヒスタミンやロイコトリエン放出されないようにしたり、生産や作用を抑制する作用がある)と抗ヒスタミン薬(直接かゆみ・炎症を抑える効果)があり、正しい使い方により効果的に花粉症を乗りきることができます。詳しくは主治医にご相談下さい 。

使い方の例
花粉が飛散する1ヶ月位前から使用開始(1月中旬位)し、調子のよいときには1日の使用回数を調節します。
症状がひどくなる時期には、抗炎症作用・血管収縮効果のある薬と併用します。
花粉の飛散が多く、特に症状がひどいときには飲み薬も併用します。
一般的に、薬は花粉症のシーズンが終わるまで使い続けますが、症状が軽くなってくれば、1日の使用回数を減らしても差しつかえないでしょう。 鼻づまりの症状がひどく、血管収縮薬を併用する場合には、まず血管収縮薬を使用して鼻腔を拡げてから、抗アレルギー薬を使用してください。

●安全性
一般的に、内服薬よりも副作用が少ない場合が多く、眠気が起こると困る場合や肝臓が悪いといわれた方、症状の少ない初期、軽症などに使いやすいことが特徴です。

●効果
くしゃみ・鼻水症状に特に効果的で、効果が早く、初期療法の遅れにも対応できます。

●使用量
用量コントロールがしやすいく症状に応じた用量の調節ができます。


◇ 花粉症と点眼薬

血管収縮薬の入った点眼薬
内服薬によって、目の症状を軽くするのは難しく(薬が目に移行する率が少なく、目の炎症が起こっている結膜への効果は得にくいため)、目の症状をともなう場合には目薬の使用が効果的です。
点眼薬も点鼻薬と同様に使い方により、効果的に花粉症の症状を軽くすることができます。

使い方の例
抗アレルギー作用を持つ点眼薬と抗アレルギー作用+抗ヒスタミン作用を持つ点眼薬があります。
花粉が飛散する1ヶ月位前から使用開始(1月中旬位)し、調子のよいときには1日の使用回数を調節します。
症状がひどくなる時期には、抗炎症作用や血管収縮効果のある点眼薬(目の充血、かゆみに直接作用する)と併用します。
花粉の飛散が多く、特に症状がひどいときには飲み薬も併用します。
一般的に、薬は花粉症のシーズンが終わるまで使い続けますが、症状が軽くなってくれば、1日の使用回数を減らしても差しつかえないでしょう。

●使用時に気をつけたいこと
1. 薬を使う前に、目を流水で洗うことを心がけてください。空気中のほこりや花粉はまつげにつきやすく、まずはほこりや花粉を除くことが大切です。このときに、溜めた水を使うと、わざわざ花粉が混じった水を目に入れることになるので、必ず流水で洗うようにしてください。
2. 目を洗う回数は、日に3〜4回で十分です。あまり洗いすぎると、涙の殺菌作用が弱くなり、他の感染症に感染することもあります。
3. 点眼薬を2種類以上使う場合(例えば、抗アレルギー薬とかゆみ止めなど)は、より効果を期待したい方を後に点眼するようにしてください。

【使用例】
かゆみがひどい場合は、抗アレルギー薬→5分ぐらい開ける→かゆみ止め(ステロイド・抗ヒスタミン作用を持つ薬剤)の順に使用してください。 。



 まとめ

「花粉症の治療」と題して、花粉症が起こるメカニズム・初期療法・点鼻薬・点眼薬についてふれましたが、今年は地域によっては、花粉が大量に飛散することが予想されています。花粉症の人は、症状がでる前に、専門医に受診して早めに対策を立て備えることが、症状を軽くする一番の方法です。1日も早く治療を始めて、この季節を乗り切りましょう。

次回は、2月20日に「処方せん豆知識」を更新する予定にしております。次回の「処方せん豆知識」は、花粉症についてもう少し詳しい薬の説明と経過・アロマテラピ−・漢方治療についてふれていきたいと思っています 。



アルバ薬局 みてじま店 管理薬剤師 桾本 愛子

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