アルバ会社説明会


鎮痛薬(痛み止め)は、使用する機会が多く身近な薬ですが、長期間使用し続けると胃や腎臓に負担をかけ副作用がおこることがあります。 痛み止めの作用・副作用や使用方法・剤型による特徴などを知り、副作用を防いで上手に痛みをコントロ−ルしましょう。

ただし、痛みの中には内臓疾患の関連痛として現れることもあります。頭痛などでは、生命に危険のある疾患が原因となっている場合もありますので、急性の激烈な痛みで高熱をともなう場合や、四肢の痛み・腰痛などで、ひどい痛みに運動まひ・強いしびれなどをともなう場合は、速やかに専門医を受診してください。


 成分による分類

鎮痛薬は、ステロイド系抗炎症薬 非ステロイド系抗炎症薬 に大きく分類されます。 今回は、普段痛み止めとしてよく使用する機会の多い非ステロイド系抗炎症薬を中心に述べていきます。

ここで、ステロイド系抗炎症薬についても簡単に触れておきます。
ステロイドは副腎皮質で作られるホルモンの一種です。炎症や免疫反応を抑える大変強い作用があります。関節リウマチなどの痛み止めとして用いられる他に、喘息やアレルギ−性疾患・膠原病などの痛みを伴わない疾患にも炎症を抑える目的で利用されています。
長期間服用するとホルモンの作用により、骨粗鬆症や動脈硬化症・糖尿病・消化性潰瘍などの症状が出てくることが知られており、また急に服用を中止すると、返って痛みが激しくなる・発熱・頭痛・食欲不振・脱力感・筋肉痛・関節痛・ショック等の離脱症状があらわれることがあります。 服用においては、必ず医師の指示に従わなければならない薬です。

また、ステロイドというだけで副作用を怖がって薬を服用することをいやがる方が多くいますが、医師の指示に従って短期間服用する場合には、副作用はほとんどありませんし、長期間服用する場合でも医師の指示を十分に守って服用すれば、決して怖い薬ではありません。



 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)

一般的に、痛み止めといわれるものです。
痛みを止める他に、炎症を抑える・熱を下げる効果も期待できます。関節痛・生理痛・腰痛・頭痛・のどの痛みなどを抑える目的や解熱剤としても広く利用されている薬です。一般の市販薬としても多くの商品が販売されていますが、長期間服用すると胃や腎臓・肝臓に負担がかかることがありますので、市販薬を服用しても痛みがくり返し起こる場合や熱がなかなか下がらない場合は、専門医を受診してください。

また、最近では消化管粘膜に対する副作用を軽減する目的で、胃では溶けずに腸で溶ける腸溶剤、胃腸で吸収されてから初めて有効成分が効果を現すプロドラッグ、外用薬(坐薬・塗り薬・湿布薬など)、注射薬などさまざまなタイプの薬が開発されています。



では、非ステロイド系抗炎症薬は、体の中でどのように作用するのでしょうか
正常な組織では、細胞の中にある「アラキドン酸」という物質に「COX−1(シクロオキシゲナ−ゼ1)」という酵素が結びつくことによって、「プロスタグランジン(PG)」という物質を作り出しています。プロシタグランジンには色々な種類があり、それぞれ異なった働きをしています。例えば、プロスタグランジンE2は、正常組織においては血流をよくし、胃酸分泌抑制作用、胃粘膜保護作用をもち、胃粘膜が正常に保たれるために重要な働きをしています。

しかし、シクロオキシゲナ−ゼには、COX−1以外にCOX−2(シクロオキシゲナ−ゼ2)があることが解ってきました。COX−1は組織に常時存在し、例えば、胃粘膜保護に作用するプロスタグランジンを産生していますが、COX−2は、いつもは存在せずに、何らかの刺激により出てきて炎症や痛みにかかわるプロスタグランジンの産生に関与し、炎症が起きている部位の炎症を強め、痛みを増大させることが解りました。

非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、このシクロオキシゲナ−ゼの働きを阻害する作用があります。つまり、結果的にプロスタグランジンの産生を妨げることによって、炎症が起きている部位でプロスタグランジンが作られなくなり、痛みや炎症に効果があるというわけです。

しかし、非ステロイド系抗炎症薬はCOX−1とCOX−2の両方を阻害してしまいます。上記のようにプロスタグランジンには胃粘膜を保護する作用がありますが、プロスタグランジンが産生されなくなると炎症を抑えるかわりに胃腸障害が起きる副作用が出てしまうのです。

そこで、COX−2だけを選択的に阻害する非ステロイド系抗炎症薬が、近年開発され発売されています。従来の非ステロイド系抗炎症薬よりも胃腸障害が少ないことが特徴ですが、痛みに関してはCOX−1も関与しているといわれており、COX−1とCOX−2の両方を阻害しないと十分な消炎鎮痛効果が得られないとの報告もあります。




 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の種類

痛み止めには、内服薬・外用薬・(注射薬)など、さまざまな用途による種類があります。ここでは、内服薬と外用薬の特徴や用い方・注意点などについて解説していきます。


内服薬
※処方箋まめ知識 くすりの正しい飲み方・使い方(1)「のみぐすり」参照
最もよく使用されている痛み止めで、成分の種類も多く全身に作用するので、幅広い症状に用いられます。痛みを抑える作用の他に、消炎・解熱作用など内科系疾患・外科系疾患を問わず用いられます。

作用時間による分類


短い
[長所] 強いPG産生抑制力があり、作用が早く強く現れる。  
細かな量の調節ができる
[短所] 服用回数が多くなるため、胃粘膜を直接刺激しやすい。
長い
[長所] 作用時間が長いので、服用回数を減らすことができ飲み忘れなどが防げる。
安定した効果が望める。
[短所] 高齢者や腎・肝臓疾患のある場合は、蓄積性の問題がある。


服用にあたっての注意点
○痛いときには、痛みを無理にがまんせずに服用しましょう
痛み止めは、痛みを抑えることを目的に処方される他に、炎症を抑えるためにも処方されます。痛みがあるということは患部が炎症を起こしているということですので、放っておくとますます痛みが強くなることもあります。

○胃の弱い人は・・・・
胃薬と一緒に服用する。
食後直ぐに服用する。
食事ができないときは、牛乳などを飲んだ後に服用する。
  
○多めの水で服用
出来ればコップ一杯位の水で服用してください。
薬は溶けるようにできています。溶けなければ十分な効果も現れません。
薬を水なしで飲む方をよく見かけますが、薬が食道などに引っかかり粘膜に炎症や潰瘍を起こすことがよくあります。特に、寝る前に飲む場合は、直ぐに横にならないようにしてください。(横になったまま飲むことも避けるようにしてください。)

○飲み忘れた場合には
気がついたら直ぐに1回分を飲む。ただし、次の服用までに4〜5時間はあける。
痛みがそれほどひどくなく、次の服用時間までに2〜3時間しかない時には、次の服用時間まで待つ。
一度に2回分飲むことはしないでください。



外用薬
※処方箋まめ知識 くすりの正しい飲み方・使い方(2)「外用薬」参照
外用薬には、塗り薬・湿布薬・坐薬などがありますが、目的や用途によって、用い方が異なります。それぞれの特徴や用い方などについて、簡単に説明します。

〔塗り薬〕
○軟膏・クリ−ム・ゲル・ロ−ション
内服薬に比べて効果は劣りますが、患部に直接塗るので胃腸障害などの副作用が比較的現われません。 部位を問わずに使えますが、症状や種類によっては、皮膚の弱いところへの使用は注意が必要です。

軟 膏
他の塗り薬に比べて、皮膚の保護作用・柔軟作用などの長所がありますが、べとつく短所があります。
クリ−ム
軟膏に比べて、皮膚への浸透性が大きく、皮膚の冷却作用もあり、簡単に洗い流せる長所がありますが、皮膚の保護作用は弱く、皮膚への刺激がある場合があります。
しかし、スクワレンなどの皮膚や粘膜を保護する成分が配合されているものもあります。
ゲ ル
使い心地がさらっとしており、乾きやすい長所があります。基剤にアルコ−ルなどを含有するものは、皮膚への浸透性は高いが、刺激感がある場合があり注意が必要です。
ロ−ション
液体状なので手を汚さず、直接患部に塗ることができ、使い心地がさらっとしており、乾きやすい長所があります。
薬剤が広がるのを防ぐためアルコ−ル系の添加物(乾きやすい)を使用していることが多いので、乾燥肌の方や皮膚の弱い方は、皮膚がかさつくような感じがする場合があります。


塗り薬の効果的な使い方
○ 一度にたくさん塗るよりも、何回かに分けて使用するほうが効果的です。
薬剤の皮膚からの吸収は限度があるため、たくさん塗っても汗で流れたり、こすれてとれてしまったりします。特に、水を良く使う、汗をかきやすい季節などは、1日3〜4回を限度に使用するといいでしょう。

○ 痛いところのみに塗るのが一般的。
薬を塗った部位から直接有効成分が吸収され、効果がでます。血液中へ成分が移行するのは極わずかですので、あまり広い範囲に塗っても効果は期待できません。

○ 密封療法について   
塗り薬を塗った上から、サランラップなどを巻いて薬の吸収を高める方法のことです。
ただし、密封療法には適するものと適さないものがあります。特に、アルコールを含有する塗り薬では、アルコールの揮発を妨げてしまうため、アルコールにより皮膚への刺激が起こり、かぶれる原因になることもあります。
場合によっては、湿布剤と塗り薬を同じ部位に使用することがありますが、この場合も単品で使用したときよりも、薬の効果が期待できる場合があります。しかし、かぶれの原因になることもありますので、必ず、医師の指導の下に行うようにしてください。


湿布薬
患部に直接貼ることで皮膚から、徐々に薬の成分が吸収され長時間効果が期待できます。

薬によって1日の貼りかえる回数に違いがありますので医師の指示に従ってください。


かぶれの防止対策

かぶれの原因としては、薬剤の他にも、湿布の基剤・原料・粘着剤などが考えられます。また、個人差も大きく、同じ成分を使用している薬剤については、他の商品であっても、かぶれる可能性がありますので、かぶれが起きた場合には医師や薬剤師に相談し、自分にあった薬剤を見つけることが大切です。

○寝る前の使用は控えましょう。
寝ているときは汗をかきやすく、かぶれやすくなります。また、寝ている間はかぶれがおこっていても気がつきにくく、かぶれを悪化させることがあります。布団の効果で、湿布が押さえつけられ、通常使用するより成分の皮膚への浸透が強くなりかぶれやすくなってしまうことも考えられます。



湿布の効果的な貼り方

○ 痛いところのみに貼るのが一般的です。    
貼っている部位から薬が吸収され、効果がでます。血液中に成分が移行するのは極わずかですので、痛くないところに貼ってもあまり効果は期待できません。

○ 薬剤にあった貼りかえ時間を目安に貼りかえる。     
薬によって効果が最高になる時間が異なります。5〜6時間で効果が最高になるものもあれば、12時間後に薬の効果が最高になるものもあります。1〜2時間で貼りかえていたのでは、十分な効果が得られないことがあります。また、薬の成分は皮膚から徐々に吸収されていくので、何度も貼りかえることは湿布の無駄遣い!!

○ はがれてもすぐに貼りなおせば効果は期待できます。
    
ただし、はがしたあとに暫らくおいておくと皮膚への粘着性も弱くなり、基剤中の揮発性薬剤が揮発してしまい、効果は弱くなってしまうことがあります。

○ 湿布には、患部を冷やすタイプのものと温めるタイプのものがあります。    
患部に炎症のある急性期には、消炎効果を期待して、一般に冷湿布を使用します。  慢性の肩凝りや腰痛には、温湿布で血行を促進することが効果的です。しかし、温湿布は、かぶれを起こしやすいので皮膚の弱い人は注意が必要です。  



坐 薬
内服薬との一番の違いは、食事に関係なく使用できる点にあります。
内服薬では、胃への負担を防ぐため、胃薬と併用したり、食後に服用するのが一般的ですが、坐薬は食事に関係なく痛いときに使用できます。
特に、夜間の痛みには良いとされています。ただし、長期に使用することにより、血液中に移行した成分が胃の粘膜を荒らすことも知られており、必ず医師の指導のもと使用する必要があります。

また、坐薬の効き目にも、個人差があるといわれています。一般的に、内服薬よりも効き目が早く現れるといわれています。効果は、ある程度持続性がありますので、特に寝ている間に痛みが起きる場合には、寝る前に坐薬を使用しておくと夜間の痛みが抑えられ効果的です。

アルバ薬局 三宮店 店長: 桾本 愛子


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