アルバ会社説明会



第30号  貧血について

2004/03/19

目次:
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現在、成人女性の10人に1人、さらに20代の女性では5人に1人が貧血であるといわれています。特に、最近ではダイエットによる栄養不足が原因で起こる貧血が増えています。貧血とひと言でいってもその原因はさまざまです。
そこで、今回は貧血についての全般的な知識と、貧血の中で最も多くみられる鉄欠乏性貧血の治療法・予防法を中心にお話したいと思います。

 貧血とは

貧血とは、簡単にいえば血液が薄くなった状態のことです。もう少し詳しくいうと、血液中で酸素の運搬をしている赤血球を構成するヘモグロビンという物質が少なくなっているために起こる病気です。赤血球はたんぱく質・鉄・ビタミンC・ビタミンB12・銅・葉酸・ビタミンB6などの栄養素からつくられています。最も頻繁にみられる貧血は、鉄の不足によりおこる鉄欠乏性貧血です。貧血になると、体内のあらゆる所で酸素が減少し、酸欠状態になってしまいます。
一般的に、疲れやすい・めまい・動悸・息切れ・立ちくらみ・頭痛・顔色が悪いなどの症状が現れます。

  貧血の一般的な症状

めまい・頭痛・立ちくらみ・朝起きにくい
脳が酸欠状態になると、めまい・頭痛・立ちくらみ・朝起きにくいなどの症状が起こることがあります。脳は最も酸素を必要とする部位のひとつです。ひどい場合には、意識を失って失神してしまうこともあります。

動悸・息切れ・疲れやすい・だるさ・倦怠感
からだが酸欠になることで、疲れやすい・だるい・倦怠感などを覚えます。
各組織で酸素が欠乏すると、心臓は拍動を速めることによって、大量の血液を流し、各組織に酸素を補給しようとします。このように、貧血により動悸が起こることがあります。また、多量の酸素を取り入れようとするため呼吸も速くなり、息切れが起ることがあります。心臓の筋肉が酸欠を起こすと、胸の痛みを起こすこともあります。

顔色が悪い
ヘモグロビンは血色素とも呼ばれ、血液の赤い色のもとになっています。ヘモグロビンの量が減ると、血液の色も薄くなります。また、酸素不足により皮膚にまで十分に血液が回らなくなるため、皮膚の赤みがなくなり、顔色が悪くなります。また、くちびるの色が悪かったり、まぶたの裏、爪などが白くなることもあります。

  鉄について

鉄は、ヘモグロビンを作るために重要な材料で、健康成人の体内に3〜4gあります。そのうちの約60%が血液中を流れる赤血球のヘモグロビンに含まれ、残りはタンパク質と結合し、貯蔵鉄として肝臓・骨髄・脾臓・筋肉などに貯蔵されています。

 人間のからだは鉄をつくれない

人間のからだは鉄をつくれないので、食べ物からとらなければなりません。
食事から吸収する鉄の量は、10mgでそのうち吸収されるのは約10%の1mg程度といわれています。一方、1日に約1mgの鉄が汗・尿・糞便などとともに体外に失われます。
この他、赤血球の寿命は約120日といわれており、体内では毎日吸収される鉄量の20〜30倍の鉄が、寿命がつきた赤血球から放出されていますが、これらの鉄は全て回収され赤血球の製造に再利用されています。
つまり、健康状態では体内の鉄量は均衡状態にあります。
   
極端なダイエットや偏食・出血などが続くと体内での鉄の平衡バランスが崩れますが、赤血球を作るための鉄が足りなくなると、肝臓や脾臓に貯えられた貯蔵鉄が血液中にでてきて補充をしますので、直ぐには貧血になることはありません。しかし、このような状態が続き貯蔵鉄がなくなるとヘモグロビンが減少し赤血球も減り、酸欠状態となって貧血症状が出始めます。

 鉄の1日所要量

鉄の1日の所要量を見てみると、他の栄養素に比べて大変少ないのですが、吸収率が低く平均で8%といわれています。
成人男性
10mg
成人女性 
閉経前
12mg
閉経後
10mg
幼児
7〜9mg
学童
9〜10mg
生徒
11mg
妊娠前半期
15mg
妊娠後半・授乳期
20mg

  貧血の起こる原因と種類

貧血の原因
貧血の種類
血液をつくる材料不足で赤血球がつくれないもの 鉄欠乏性貧血
巨赤芽球性貧血 ビタミンB12・葉酸の欠乏
骨髄(こつずい)の異常により赤血球がつくれないもの 再生不良性貧血
骨髄異形成症候群
白血病
悪性腫瘍の骨髄浸潤
薬剤の影響
赤血球はつくれるが出血などで失われるもの 出血性貧血 赤血球が体外に失われる
容血性貧血 赤血球がからだの中で壊されてしまう


  貧血の血液検査

赤血球の数・ヘモグロビン量・ヘマトクリット値を知ることで貧血の種類、貧血の原因を知ることができます。
※ヘマトクリット値:一定容積の血液中に占める赤血球の容積比%のこと。

<基準値>
 
男性
女性
赤血球数
450〜570万個/mm3
380〜500万個/mm3
ヘモグロビン量
13〜18g/dl
11〜16g/dl
ヘマトクリット値
40〜50%
33〜45%


  貧血の種類

貧血の原因はほとんどが鉄不足によるもので、鉄欠乏性貧血は貧血全体の60〜70%を占めるといわれています。しかし、深刻な病気がひそんでいることもあります。貧血かなと思ったら自己判断せず、医師の診察を受けるようにしてください。

 ◆鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)
先程から何度もお話ししているように、血液中の鉄分が不足して起こる貧血で、特に若い女性を中心にみられ、青年期から壮年期までの全女性の5〜10%は鉄欠乏性貧血だといわれています。

 原 因
女性の場合、毎月来る生理による鉄分の損失が大きく妊娠・授乳などによっても鉄が必要となるので、男性よりも女性に多いのは当然といえます。また,最近では、無理なダイエット・偏食・朝食を抜くなどの原因で栄養不足となり起こる場合がよくあります。
男性の場合は、潰瘍や痔などによる慢性的な出血が原因で起こることがあります。また、胃の切除などによって、鉄が吸収されにくくなるために起こる場合もあります。

ご存じですか・・・?豆知識の豆知識
女性は1回の月経周期で約30〜60ccの出血をしますが、これは鉄に換算すると15〜30mgの喪失を意味します。

 症 状
☆貧血は徐々に起こるため気づかずに過ごしていることが多い 
貧血の一般的な症状と同じで、動悸・息切れ・めまい・だるさ・顔色が悪いなどがあります。貧血が長期に続くと、食道の内腔が狭くなり物がのみこみにくくなることもあります。また、爪がスプーン状に反りかえって、折れやすくなったり、口角炎・口内炎ができたり、髪の毛が抜けやすくなったりすることもあります。
鉄欠乏性貧血は徐々に進行してくることが多く、からだがその症状になれてしまうことがあり、貧血の程度が強いわりに自覚症状が軽い人がよくあるようです。
鉄が不足してくるとヘモグロビン含有量の少ない赤血球ができてくるので、赤血球の数はあまり減らなくてもヘモグロビン濃度は明らかに低下してきます。赤血球の大きさも小さくなり、小球性低色素性貧血(しょうきゅうせいていしきそせいひんけつ)という貧血になります。


 ◆再生不良性貧血
赤血球を作る骨髄に異常が起こり、赤血球が十分に作られなくなったために起こる貧血です。赤血球だけでなく,白血球・血小板なども不足していきます。

 原 因
薬物・放射線・ウイルスなどが原因であるといわれていますが、ほとんどは原因不明です。

 症 状
貧血の一般的な症状のほかに、白血球が減ることにより抵抗力がなくなり、感染症にかかりやすくなり発熱などの症状が現れることがあります。
また、血小板が減少することにより、血液を凝固させる働きが低下し、出血しやすくなることなどがあります。


 ◆巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)
ビタミンB12・葉酸の不足で起こる
骨髄で赤血球が作られるときに必要な栄養素であるビタミンB12や葉酸が欠乏して、赤血球の生産が減少して起こる貧血です。赤血球だけでなく、白血球・血小板にも変化が現れます。

 原 因
ビタミンB12や葉酸は、普通の食事をしていれば欠乏が起こることはまずありません。
食物中のビタミンB12は胃で分泌される内因子と呼ばれるタンパクと結合して小腸で吸収されます。そのため、胃粘膜に病変があったり、胃の切除をした後は、内因子の分泌が減少するため、ビタミンB12の吸収が極端に低下します。
また、ビタミンB12や葉酸は、小腸で吸収されますので、小腸の病気や手術で小腸を切除した場合にも吸収が悪くなり、欠乏を起こすことがあります。

 症 状
貧血の一般症状のほかに、軽い黄疸(おうだん)・舌炎(舌があれたり、赤くなり舌の表面がツルツルになる)などの症状が現れます。ビタミンB12欠乏により白髪、手足の刺痛やしびれなどの神経症状が起こります。


 ◆溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)
「溶血」という名のとおり、からだの中で赤血球が溶けて、こわれてしまう貧血です。
赤血球の寿命は120日位といわれており、脾臓で壊されます。溶血性貧血は、自分で赤血球をこわす抗体をつくってしまい、破壊が亢進し寿命より短くなるため、赤血球の生産が間に合わずに起こる貧血です。先天性のものと後天性のものに分けられます。

 症 状
貧血症状のほかに、黄疸・脾臓肥大などがあります。


 ◆二次性貧血(にじせいひんけつ)
他の疾患が原因で貧血を起こしている場合で、腎炎などの腎障害・肝硬変などの肝臓障害・リウマチ・がんなどの病気にともなって起こる貧血です。


  鉄欠乏性貧血の治療薬(鉄剤について)

鉄欠乏性貧血の場合、鉄の補給をすれば治癒する疾患です。しかし、食事療法だけで貧血を治すのに必要な鉄量を補充するのは無理があります。何故かというと、鉄含有量の多いといわれている乾燥ひじきや焼きのりでも1日200〜300g、レバ−は1kg食べないと鉄剤1錠と同量の鉄を摂取できないからです。

鉄剤の服用により貧血症状は4〜6週間で改善しますが、体内に貯蔵される鉄の量が十分に回復するまで4〜6ヶ月ほどかかります。
したがって、貧血症状がなくなったからといって、自己判断で服用をやめると、また元の貧血状態に戻ってしまいます。医師の指示があるまで、きっちりと服用をするようにしてください。

 ◆鉄剤服用時の注意

1. 鉄剤を服用すると、便が黒くなることがありますが、心配いりません。
2.
鉄剤服用中に緑茶や紅茶を一切飲んではいけないと思っておられる方がよくいます。緑茶や紅茶に含まれるタンニンが鉄の吸収を若干抑制することはありますが、治療効果に大きな影響を与えるものではありません。
鉄剤服用の前後30〜60分は飲まないように気をつける程度で十分です。
3.
鉄剤服用の副作用として、時に腹痛・食欲低下・便秘・軟便などの胃腸障害がおこる場合があります。そのような症状があれば、医師に相談して、別の薬に変えてもらうか、1回量を減らしてもらうなどして、服用を続けるようにしてください。
4.

テトラサイクリン系薬(抗生物質)や一部の薬が鉄の吸収を抑制する場合がありますので、鉄剤服用中は医師・薬剤師に伝えるようにしましょう。
かかりつけ薬局があれば安心ですね!!

5. ビタミンCは鉄の吸収を促進し副作用を減らす場合があるといわれています。


  貧血の予防は規則正しい食生活から

鉄鉄欠乏性貧血は、元来女性に多い疾患ですが、特に若い女性に多いといわれています。 貧血を防ぐのに一番大事なことは、一日に必要な栄養素をバランスよくとることです。まずは食生活の見直しを図りましょう。
1日3食、ちゃんと食べていますか?
好き嫌いはありませんか?
無理なダイエットをしていませんか?
これらに心当たりのある人は、今すぐ食生活を改善しましょう。

 ◆鉄を効果的にとるテクニック
食生活の改善と同時に鉄分の補給が大切です。
鉄は吸収率が悪いので、量をたくさんとらなくては吸収されないという難点があります。

『ヘム鉄』をとって、鉄を効率よく吸収しよう!!
食物に含まれる鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄があります。ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に含まれており、非ヘム鉄は野菜や豆類などの植物性食品に含まれています。
肉や魚に含まれるヘム鉄は、植物性食品に含まれる非ヘム鉄に比べ吸収率がよいといわれています。非ヘム鉄の吸収率が5%なのに対して、ヘム鉄はその約5倍の23〜25%位吸収されます。

そこで、鉄を効率よくとるためには・・・

◇ヘム鉄が吸収がいいからといって、動物性食品ばかりをとることは厳禁です。
植物性食品に含まれる非ヘム鉄も一緒にとることで、鉄の吸収がアップするだけでなく、食事のバランスもよくなり、健康にとって一挙両得!!

◇ビタミンCは鉄の吸収をアップする。
吸収の悪い非ヘム鉄もビタミンCと一緒にとれば吸収率をアップすることができます。 例えば、ほうれん草サラダにレモン汁をかける。朝食にオレンジジュ−スやグレ−プフル−ツジュ−スを飲むなど・・・。

◇胃酸の分泌がよくなるほど鉄の吸収がよくなる。
香辛料は胃液の分泌を高めますので、料理に適量使うようにしましょう。
また、適度のアルコ−ルも胃の運動を助けます。特に、赤ワインには少量の鉄が含まれていますので、効果的かも・・・
でも、飲み過ぎにくれぐれも注意してください!!

◇鉄の鍋やフライパンで鉄分アップ。
鉄製の鍋やフライパンを使うと、鉄が少しずつ溶け出すため、鉄をとることができます。酢やトマトを使った料理では、さらに鉄が溶けやすくなりますので効果的です。

 ◆鉄を多く含む食品

食品名
単位
鉄分(mg)
豚レバー
50g
6.5
牛レバー
50g
2.0
あさり
50g
3.5
かき5個
50g

1.8

焼き海苔
1g
0.1
岩のり
1g
4.8
煮干し
10g
1.8
食品名
単位
鉄分(mg)
しじみ
30g
3.0
ひじき(乾燥)
5g
2.8
ほうれん草
50g
1.9
大豆
20g
1.9
小松菜
50g
1.5
煎りゴマ
9g
0.9
卵黄
1個
0.9

◇たんぱく質
たんぱく質も赤血球をつくる栄養素の1つであり、鉄分の吸収をよくします。
<たんぱく質を多く含む食品> 
肉類・牛乳・乳製品卵・魚介類・大豆・大豆製品などがあります。
それらを幅広く組み合わせて食べるようにしましょう。

◇ビタミンC
ビタミンCは鉄分の吸収をよくします。人はからだのなかでビタミンCをつくることができないので、積極的にとるようにしましょう。
<ビタミンCを多く含む食品>
パセリ・ブロッコリー・赤ピーマン・にがうり・小松菜・ほうれん草・れんこん・さつまいもなどの野菜や、アセロラ・いちご・キウイフルーツ・グレープ フルーツ・柿・夏みかんなどの果物があります。特に、いちごやキウイフルーツは糖分も少なくおすすめです。

◇ビタミンB12
ビタミンB12は正常な赤血球をつくるのに必要な栄養素です。
<ビタミンB12を多く含む食品>
レバー・にしん・さんま・あさり・さば・かき・チーズ・卵・納豆などに多く含まれます。


 まとめ

今回は、貧血で最も多い鉄欠乏性貧血を中心について書きましたが、如何でしたでしょうか。最近は、過度のダイエットなどが原因で若い女性に激増しているといわれています。いくらスリムになっても、青白い顔をしてたのでは、魅力的といえるでしょうか。また、たかが貧血とあなどっていたら、そこに重大な病気が潜んでいることもあります。今回ご紹介した貧血の症状があるようでしたら、医師に受診し検査をしてもらうことをお勧めします。
バランスの取れた食事と規則正しい生活で、健康的なイキイキとしたダイエットにチャレンジしてみては如何でしょうか。
アルバ薬局 鈴蘭台店 薬剤師 星野妙子 



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