アルバ会社説明会





第31号   紫外線と日焼け  

2004/04/20

目次:
※ご覧になる項目を上の目次よりお選び下さい。



太陽の光は、生物が生きていくためになくてはならないものです。

しかし、太陽に含まれる紫外線(太陽紫外線)が、皮膚に対して様々な有害な作用をもたらしていることが近年分かってきました。また、太陽紫外線をあびることは、皮膚だけに悪影響を与えるだけでなく、からだにとって重要な免疫力を一時的に低下させることなども分かってきました。特に、これからの高齢化社会においては、皮膚ガンや慢性の紫外線傷害(光老化)が大きな問題になってきます。

そこで、今回の処方せん豆知識では、紫外線の簡単な知識と日焼けによる皮膚への影響、紫外線予防について触れていきたいと思います。

 太陽光線と紫外線

太陽光線

太陽の光は、直線ではなく小さな波状に振動しながら進んでいます。この振動の波と波の幅を波長と呼びます。波長は、nm(ナノメ−トル、1/10億メ−トル)という単位で示されます。

波長の短い方から順に、イオン化放射線(X線)・紫外線・可視光線・赤外線などに分けられ、波長が短いほど人体に強い影響を与えます。つまり、波長が短いほど、強力なエネルギ−を持っているということになります。

また、太陽から出る光は、波長の異なる光が発せられていますが、オゾン層や酸素に吸収され、波長が290nm以上の光線が地表に届きます。



紫外線(UltraViolet:UV)

太陽から出ている光については、以上のようなことになります。次に、今回のテ−マである 紫外線について、詳しく見ていくことにします。

紫外線は、波長の短い順に真空紫外線・紫外線C波(UV−C)・紫外線B波(UV−B)・紫外線A波(UV−A)に分けられます。太陽から出た紫外線は、オゾン層や酸素などに吸収され、地表に届くのは、UV−AとUV−Bの一部といわれています。つまり、地表に届く紫外線は90%以上がUV−Aということです。UV−Cは、殺菌灯として使用されるほど強いエネルギ−を持っていますが、オゾン層でほとんど吸収されてしまうので、地表には届きません。しかし、最近ではオゾン層の破壊が進み、UV−Cの影響も心配されています。


UV−A(紫外線A波)
私達が浴びる紫外線の9割はUV-Aで、生活紫外線とも呼ばれています。エネルギーは低く人体に強い影響は与えませんが、窓ガラスを通して皮膚の真皮まで届き処方せん豆知識第25号『ニキビげきたい法』参照)、肌の張りや弾力に関する繊維(コラーゲンやエラスチン)を崩壊し、主にシワやたるみなど肌老化を引き起こします。また、表皮最下層の基底細胞間に介在し、メラニンをつくり出すメラノサイトという細胞を活性化し肌を黒くします。
また、活性酸素を作る作用はUV−Bより強いといわれています。

UV−B(紫外線B波)
窓ガラスを透過することはありませんので、室内ではUV−Bを浴びることはほとんどありません。それゆえ、レジャー紫外線とも呼ばれます。皮膚の中にまで届くことはなく皮膚の表面に作用しますが、生物に対する作用はUV−Aよりもはるかに強いといわれています。
地表に届くUV−Bの量はUV−Aの1/10程度ですが、日焼けを起こす力はとても強く、皮膚が赤くなり、やがて褐色になるのはUV−Bの作用によるといわれています。
また、真皮には届きませんが、コラーゲンを壊す酵素の働きを高めて間接的にはシワの原因にもなります。

UV−C(紫外線C波)
オゾン層でほとんど吸収されるので地表には届きませんが、エベレストの頂上くらい高くなるとUV−Cの一部が届いているそうです。細胞を殺す力が強く殺菌灯として使われています。
皮膚の最外層にしか作用しませんが、作用は強く炎症を起こすことがあります。

◇紫外線の量
紫外線はさまざまな因子によって、その量は変わります。
季 節 5月〜8月は最も意識が必要な時期
時 間 午前10時〜午後2時頃が最も多く、正午頃がピーク
高 度 標高300m上がるごとに紫外線量は約4%上昇
緯 度 赤道付近に近づく程、紫外線量は多い
天 候 快晴時を100とした場合、大雨20〜30、薄曇り50〜80
日 陰 直射を100とした場合、木陰は40〜50
反 射 照り返し→ アスファルトは20%、芝生や土は10%以下、雪は80%


 日焼けによる皮膚の変化

日焼けはどうしておこるの?

日本語の「日焼け」という言葉は、紫外線により「皮膚が赤くなること」と「その後黒くなること」を含めて使われていますが,英語では赤くなることをサンバーン(sunburn)、黒くなることをサンタン(suntan)といい、きちんと区別されています。

サンバーンは紫外線による皮膚のヤケドのことで、サンタンはその結果おこるメラニン増加のことです。 日焼け反応(サンバーン)の主役はUV−Bです。色が黒くなるサンタンもUV−Bによる一連の炎症反応により,メラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)が刺激され,メラニンという黒い色素が生成されます。日焼けによって肌が黒くなるのは、このためです。また、メラニン色素は皮膚表面に沈着することによって、紫外線から人体を守る衣服のような働きをしています。

しかし、色が黒くなるサンタンは皮膚が傷害された結果起こる反応ですので、色を黒くするために紫外線をわざわざ浴びることは,皮膚に余分な傷害を与えることになり、決してよいことではありません。
もうひとつ大切なことに、サンタンは必ずしもUV−Bによるサンバ−ンの後ばかりではなく、UV−Aによっても起こることを覚えておいて下さい。

日焼けの種類
サンバーン
サンタン
肌の状態 赤くなってヒリヒリ痛む 褐色になるが痛みはほとんどない
発症する時期 強い日差しに当たった後、約半日〜2日 サンバーンを発症してから3〜4日後。約7日で最も黒くなる。
日焼けの
メカニズム
表皮の角化細胞の細胞膜でつくられた活性酸素により、血管を拡張する作用をもつプロスタグランディンEという物質が真皮に作用して血管を拡張し、血流が増えるために炎症が起こる。 サンバーンにより、プロスタグランディンEとともにつくられたサイトカイン、神経ペプチドなどの物質が、表皮の基底層にあるメラノサイト(色素細胞)に到達し、メラニンという褐色の色素をつくる。これが増えると皮膚が褐色になる。
皮膚への影響 皮膚の細胞のDNAが傷つけられるため、皮膚がんの原因になる。 メラニンがたくさんできて表皮の基底細胞を覆うため、皮膚の細胞のDNAをUV−Bの影響から守ってくれる。


シミはどうしてできるの?

健康な肌ならば、日焼けなどによって一時的にメラニンの生成量が増えても、肌のタ−ンオ−バ−とともにメラニンは表皮に押し上げられ、垢などと一緒にはがれ落ちます。
しかし、強い紫外線を長く浴び続けていたり、繰り返し浴びることによって、メラノサイトは肌を守ろうとして活性化し、メラニンを過剰につくりあげます。このメラノサイトは一度活性してしまうとそのままメラニンを生み続けます。そのため、その部分にメラニンが過剰となり色がついてしまうのです。これがいわゆるシミとなるのです。
紫外線はシミができる大きな原因の一つですが、ストレスや内臓障害、ホルモン異常、乱れた食生活などもシミをつくる原因になります。

シワはどうしてできるの

シワは、皮膚の真皮(処方せん豆知識第25号『ニキビげきたい法』参照)の変化が原因でできるものです。真皮は皮膚の弾力性を保つコラ−ゲン(膠原線維)やエラスチン(弾性線維)とその間を埋める基質(ヒアルロン酸・コンドロイチン硫酸など)からできています。
皮膚の弾力とハリは、このコラーゲンとエラスチンによって大きく左右されるのですが、紫外線が当たるとコラ−ゲン線維は小さく切断され、エラスチンは変性してしまいます。そのため皮膚は弾力を失い、たるみやひだとなりシワができます。
若い時は、とどんどん再生されますが、老化により再生能力が低下しシワとなります。また、若い頃から沢山の紫外線を多量にあびた皮膚は、線維をつくる能力が弱まっているため、早く皮膚の老化が始まる傾向にあるようです。

免疫反応の低下

皮膚の表皮細胞にはランゲルハンス細胞という免疫に関与する細胞が存在しており、病気や異物に抵抗する機能を持っています。
しかし、紫外線に大変感受性が高いため、日焼けのあと10日間ほど働かなくなります。紫外線を浴びる事で、一時的に免疫反応が低下し、風邪を引きやすくなったり、ヘルペスを発症することもあります。


 紫外線の利点と欠点

利  点
欠  点
1) ビタミンDの合成 
2) 光線療法
(経験豊かな専門医のもとで)
  日光療法
  紫外線療法
  PUVA療法
3) 殺菌作用
  虫干し
1) 急性皮膚傷害
  サンバーン、サンタン、光毒性反応、光感作性反応
2) 光老化(活性酸素の発生)
  シミ、シワ、ソバカス
3) 免疫抑制
4) 光過敏症
  日光じんましん、色素性乾皮症、多型日光疹
5) 光発がん
  日光角化症、基底細胞ガン、有棘(ゆうきょく)細胞ガン、メラノーマ
6) 白内障の増加

1日に必要なビタミンDをつくるためには、1日2〜3分(食物からビタミンDの摂取がないと仮定した場合)日に当たるだけで十分といわれています。


 日焼け止め(サンクリーン剤)を使おう

日焼け止めの成分

日焼け止め(サンクリ−ン剤)は、紫外線を散乱させる働きのある紫外線散乱剤と紫外線を吸収させる働きのある紫外線吸収剤から構成されています。

●紫外線散乱剤 主に物理的に紫外線を反射・散乱させることによって皮膚に達する紫外線の量を少なくする。
・酸化チタン(UVBの反射率が高い)
・酸化亜鉛(UVAの反射率が高い)
●紫外線吸収剤 紫外線が皮膚の最も外側の角質に当たって、皮膚が紫外線を吸収する前にこの物質が紫外線を吸収し、太陽エネルギ−を熱に変換するので、紫外線による皮膚への影響を防いでいます。
・UVB吸収剤 メトキシケイヒ酸オクチル、オキシベンゾン
・UVA吸収剤 t-ブチルメトキシベンゾイルメタン、メギソリルSX

SPF値とPA値

紫外線散乱剤や紫外線吸収剤の機能によって日焼け止めを選ぶのは難しいため、日焼け止めの効果を示す度合いとしてSPFやPAがあります。

SPF(Sun Protection Factor)
→UV−B遮断効果の指標(2〜50+)
UV-Bの防止効果の程度を「数値」で表したもので、UV-Bによって肌が赤くなる性質を利用した測定方法 で、2〜50までの数値で表されますが、表示する数値には上限があり「50+」が最高です。

例えば、SPF10とある場合は、10分間で日焼けをする人が、それを使うことで100分(10倍の時間)まで日 焼けの時間を延ばすことができるという意味です。言い換えれば、10分間で浴びるUV-Bの量を100分間まで 延ばすことができるということです。

UV−Bに対する遮断効果は、SPF30位までは効果的に上昇しますが、それ以上高くてもあまり効果が変わらないと いわれています。
また、SPFの数値が高ければ高い程、防御率は上がりますが、SPFが高いと粘性が増し伸びが悪く、肌がかさついた り、何度も洗顔しないと肌に残りやすくなり、それだけ肌への負担も大きくなります。

PA(Protection grade of UV-A)
→UV−A遮断効果の指標(+、++、+++)
UV-Aの防止効果の程度を「記号(+)」で表したもので、UV-Aによって肌が黒くなる性質を利用した測定 方法です。PAは、その効果を実感しにくく、長期的な悪影響を数値にすることが難しいため、SPFのように数値化はされていません。
PA+ UV-A防止効果がある
PA++ UV-A防止効果がかなりある
PA+++ UV-A防止効果が非常にある

サンスクリーン剤の上手な選び方

肌のタイプ、目的にあわせて選ぶ
肌にやさしく使い心地のよいものを選ぶ
敏感肌の人は紫外線吸収剤を含まない(ノンケミカル)ものを選ぶ。紫外線吸収剤は紫外線を吸収して化学反応を起こしますので、皮膚の刺激の原因になる場合があるからです。

◇肌タイプ別サンスクリーン剤の目安
スキンタイプ
洗濯など
(1時間まで)
散歩、買い物など
(1〜3時間)
屋外スポーツ
海水浴など
(3時間以上)
赤くなるが
黒くならない人
SPF10
PA+
SPF30
PA+++
SPF50
PA+++
赤くなって
黒くなる人
SPF10以下
PA+
SPF20
PA++
SPF30
PA+++
すぐに黒くなる人
SPF5以下
PA+
SPF10
PA+
SPF20
PA++

サンスクリーン剤の効果的な使い方

1. 初めて使用する場合は、使用予定の1,2日前に耳の後ろや腕の内側に少量を塗り、異常がないか確認しましょう。
2. 少しずつムラなく塗りましょう。
3. 汗をかいたり、触ったりしなければ、一度塗ると5〜6時間の効果はありますが、スポ−ツなどで汗を多くかくときは、 2〜3時間おきに塗り直すのがよいでしょう。
4. 海やプールで泳いだり、水遊びをする時は、落ちるたびに塗り直すようにしましょう。
5. ウォータープルーフのサンスクリーン剤は落ちにくいので、敏感肌の人や子供には使用しない方がいいで しょう。


 日常生活での紫外線予防

◇サンスクリーン剤(日焼け止め)
外出する時は効果的にサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用しましょう。外出の目的や時間などを考慮して、自分の肌にあったものを選ぶようにしましょう。

◇日傘
日傘は紫外線防止に非常に役立ちます。ごく普通に市販されているものでも90〜95%の直射日光を遮断 してくれます。黒色が最も効果的ですが、可視光線や紫外線も吸収してしまうため日傘の中が熱くなってしまいます。白や薄い色合いのものでも効果は十分ありますので、外出時には日傘をさすようにしましょう。しかし、布から肌の距離が30cm離れるとUVカット率は40%に減ってしまうといわれています。
日傘をさす時は、あまり高く持ち上げずに、柄を短く持って使いましょう。

◇帽子
つばの広いもの(むぎわら帽子のように周囲にぐるりとつばのあるもの)が効果的です。
つばが7cmあると顔にあたるUVの約60%をカットできるといわれています。

◇サングラス
UV防御効果のあるもので、大きめのレンズであまり濃い色のものは避け、適度な透明性のあるものを選びましょう。
サングラスはまぶしさ(可視光線)を遮るためにレンズの色の濃いものが多く、そのため視界が暗くなるので瞳孔が開きます。そこへ横からの散乱紫外線が入ってくると、多くの紫外線を目に受けることになります。

☆目への影響
紫外線は角膜を透かして水晶体で吸収されます。水晶体の蛋白に変化が起こり、混濁を誘発する恐れがあります。白内障による失明の2%は紫外線によるものといわれています。  


母子健康手帳から「日光浴のすすめ」が消えた
1998年母子健康手帳から「日光浴のすすめ」が消えました。
日光浴は昔から抵抗力をつけ健康のためによいとされてきました。また骨の発育に必要なビタミンD が紫外線をあびることで作られることも根拠のひとつでした。
しかし1日に必要なビタミンDをつくるのに夏の正午の太陽ならば2〜3分で足りるのです。食物からも十分に摂取でき、むしろ紫外線の弊害のほうが問題になってきました。
成長期にある子供の肌は刺激に敏感です。紫外線対策は早い方がよいとされています。子供のうちからお母さんが気を配ってあげてください。



 まとめ

今回の処方せん豆知識では、紫外線と日焼けについてふれさせていただきました。太陽は、地球や生物にとってなくてはならないものですが、紫外線による弊害も意外とたくさんあることに驚かれたのではないでしょうか。近年、オゾン層の破壊により、かつては地表に届かなかったであろうUV-Cなどの紫外線が地表まで届き、太陽光線が人体に与えるマイナス部分が増えたのではないでしょうか。

日焼けの個人差を知り、紫外線がからだにおよぼす影響をよく理解して、一人ひとりが環境を守り、健康的にアウトドア生活を楽しむことは、精神的にも肉体的にも充実した人生を送れるのではないでしょうか。
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