アルバ会社説明会



第33号   小児に多い感染症  

2004/06/18

目次:
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感染症とは、病原体(ウイルス・細菌・クラミジア等)が人体に侵入して増殖し、発熱・下痢・咳等の症状が出る伝染病の総称です。
生後すぐの赤ちゃんは母親の免疫物質を受け継いでいる事と、母乳に含まれる免疫グロブリンによって、免疫力があります。しかし、6ヶ月頃になくなり、3才頃までは特に免疫力が弱く、感染症にかかりやすい状態といえます。

子供から子供にもうつるので、保育所や幼稚園でもらうことが多いようです。 風邪やインフルエンザ(処方せん豆知識14号『冬になるとインフルエンザに気をつけて』参照)は感染症の代表ですが、今回はそれ以外の、小児に多発する感染症について取り上げたいと思います。

 感染経路

1.空気感染 ・・・ 空気中に浮いている病原体を吸うことによってうつる
2.飛沫感染 ・・・ くしゃみ・咳によりうつる
3.接触感染 ・・・ 直接または間接的にさわったりふれたりすることによりうつる

 潜伏期間

病原体が体の中に入ってから、その病気に特有の症状が現れるまでの期間をいいます。潜伏期間の長さは感染症の種類によって様々です。
いつごろ、どんな病気の人と接触したかという情報は、感染症特定の大きなヒントになります。
病原体の種類としては、大きく2つに分けるとウイルス性と細菌性があります。では、個々の疾患について、具体的にお話しましょう。

◇ウィルス性感染症


◆ヘルパンギーナ
特徴 乳幼児の間で流行する夏風邪の一種で、口の中の水疱(すいほう)と発熱が特徴です。
症状 突然発熱し、38〜40℃の高熱が2〜3日続きます。
のどの奥あたりに水疱や潰瘍ができて痛いので、食べられなくなります。ひどい時は水分もとれなくなり、脱水症状になることがあります。
感染経路 飛沫感染。
ウイルスは、患者の唾液・水疱・大便に含まれていますので、手を介して口から入り感染することもあります。
潜伏期間 2〜4日
合併症 まれに、無菌性髄膜炎・急性心筋炎などを合併することがあります。
治療 特に治療しなくても自然治癒しますが、熱やのどの痛みを抑える薬が処方される場合があります。
家庭で
注意すること
食事は、流動食を中心に水分を十分与え、脱水を予防して下さい。のどに刺激を与えるすっぱいもの・からいもの・冷たいものはさけ、人肌程度の暖かさの、のどごしの良いうどんやおかゆ、スポーツ飲料などを中心にすると良いでしょう。高熱が続くとき・口の痛みが強くて水分があまり取れないとき・元気がなくぐったりしているときは、もう一度診察を受けましょう。


◆手足口病(てあしくちびょう)
特徴 乳幼児の間で夏に流行します。1〜4歳に多く、中でも2歳以下が半数を占めています。
症状 手のひら・足の裏・口の中に小さな水ぶくれができます。ひざやお尻にまでできることがあります。
口の中を除き、痛くもかゆくもないことが普通です。口の中の水疱が痛くて、食べられなくなることがあります。
熱は38℃〜微熱程度で、でないこともあります。
一度かかっても、またかかることがあります。
感染経路 感染者の鼻やのどからの分泌物や便に排出されるウイルスが、経口・飛沫・接触などの経路により人から人に感染します。
潜伏期間 2〜7日
治療 特別な治療をしなくてもほとんどの場合自然に治りますが、熱やのどの痛みがあるときは、それらの症状をやわらげる薬が処方されます。
口の中が痛くて水分があまりとれない時・高熱が続く時・吐いてぐったりしている時には受診しましょう。
家庭で
注意すること
口の中が痛い時は、しみないものをあげてください。熱いものや味のきついもの(特に酸味・塩味の強いもの)はさけてください。食べたがらないときは水分だけでもOKです。元気なら幼稚園・学校に行ってもかまいませんが、口の中を痛がる間は、お家で見てあげてください。
患者も周囲の人も、十分な手洗いを心がけましょう。
治った後も2〜4週間程度、ウイルスが便に出ていることがあります。特に、おしめを替えた後や鼻をかんだ後などには、よく手を洗いましょう。


◆突発生発疹(とっぱつせいはっしん)
特徴 1歳くらいまでにほとんどの子どもがかかるポピュラーな病気です。
症状
生後4〜5ヶ月から1歳ぐらいの赤ちゃんが、突然38℃を越える高熱が3〜4日続き、咳や鼻水は出ません。熱が下がるのと前後して、体中(胸・腹・背中を中心)に発疹が出ます。下痢を伴うこともあります。
感染経路 両親などの、乳児に身近な成人の唾液中に含まれているウイルスにより感染すると考えられています。
潜伏期間 はっきりしませんが、平均10日位といわれています。
治療 特に治療しないでも自然に治る病気ですが、高熱時には、解熱剤が処方されます。
合併症 発熱初期に熱性けいれんを合併したり、まれに脳炎・肝炎を合併することが知られていますが、ほとんどないと考えていてもいいくらいです。
家庭で
注意すること
白湯・お茶・ジュースなどで水分を摂り、脱水に気をつけましょう。
発疹が出た後も熱が続いたり、ひきつけたり、ぐったりしているなど変化があったときは早めに受診しましょう。熱が下がれば入浴もかまいません。


◆水痘(すいとう)・・・一般に『水ぼうそう』と言われています
特徴 かゆみを伴った発疹(発赤→水疱→かさぶた)が全身に出現する病気です。
症状
赤い小さな発疹が次々とできては水疱になって、2〜3日でピークとなります。その後、やぶけ、黒いかさぶたになります。
水をもった赤い発疹が、口の中・陰部・頭の中まで全身にたくさん出る場合と、パラパラと出る程度で終わってしまう場合などがあります。
38〜39℃の熱が出ますが、通常1〜3日でさがります。
感染経路 患者の気道分泌液中に含まれるウイルスを吸い込むことで感染(飛沫感染)したり、あるいは水疱の中のウイルスに触れることで感染(接触感染)すると考えられています。
接触後3日以内にワクチンを接種すると、予防が可能といわれています。
潜伏期間 2〜3週間
治療 かゆみを抑えるために、ぬりぐすりと飲み薬が、また、高熱時には解熱剤が処方されます。
水ぼうそうには、抗ウイルス剤が開発されており、重症の水ぼうそうや白血病の治療をうけていたり、ネフロ−ゼ症候群などで、副腎皮質ホルモンを使用して、免疫状態が低下している疾患にかかってる人には、使用することもあります。
合併症 水疱をかきむしると細菌感染が起こり、膿が出ることがあります。
無菌性髄膜炎や肺炎を合併することがありますが、まれです。
また、水ぼうそう・インフレンザの時に、アスピリン入りの熱さましを使うと激しい嘔吐・意識障害・けいれんなどの症状を特徴とする「ライ症候群」を起こすという報告がありますので、注意して下さい。
家庭で
注意すること
発疹はかゆみが強いため、かきこわしてしまうことが多く、そこに細菌が感染し、二次感染をおこすことがあるので、かかせないようにする事が大切です。
手をまめに洗って清潔にし、爪も短くしておきます。また、水疱をつぶしてしまわないように注意して、シャワーやかけ湯をして肌を清潔にしてあげましょう。かさぶたになってしまったら、湯ぶねにはいってもOKですが、かさぶたを無理にはがさないように注意してください。
水疱は口の中にもできます。刺激の少ないもの(熱くない・うす味・あまりかまずによいものなど)を選んであげてください。
発疹が赤くはれて化膿した時・ぐったり元気がない時・4日以上熱が続く時は、もう一度受診しましょう。


◆麻疹(はしか)
特徴 予防接種を受けていない1歳前後の赤ちゃんが多くかかります。感染力の強い病気です。
症状
2〜3日はかぜと同症状(熱・咳・鼻水・目やに)がでます。
いったん熱が下がり、再び高熱が出ると同時に、全身に発疹がでます。その後4〜5日高熱が続きます。
感染経路 くしゃみや咳などでウイルスが飛び散って感染します。(飛沫感染)
予防接種を受けていない子供が麻疹の子供と接触した場合、3〜4日以内にガンマグロブリンの注射をうければ、発病を防ぐ(または軽症化する)ことができます。
潜伏期間 10〜12日
治療 基本的には、対症療法(病気の不快な症状を、やわらげる治療法)の薬が処方されます。
合併症 肺炎・咽頭炎・中耳炎などを合併することがあります。まれに脳炎(1/1,000)も見られます。
家庭で
注意すること
熱が続く時は、熱さましや氷枕を使いましょう。また、熱が続くため食欲も落ちますので、水分を中心に消化の良いもの・口当たりの良いものをあげてください。
発疹がうすくなり、咳が少なくなって熱がなければ、入浴してもかまいません。
肺炎・脳炎などの合併症の疑いのある時は、入院が必要になります。様子をよく観察し心配なときには、薬が残っていても、もう一度受診しましょう。


◆風疹(三日ばしか)
特徴 数年おきに流行します。幼児期にかかることは比較的少なく、学童に多く見られます。一度かかると終生免疫を得られます(二度とかかりません)。
症状 一般に、熱は38℃前後が3日間位続きますが、発熱のないこともあります。
同時に、赤くて小さな発疹が顔から体中に広がりますが、3日位で消えます。また、首のリンパ節がはれることもあります。
感染経路 飛沫感染
潜伏期間 14〜21日
治療 安静を心がけるくらいで、特に治療は、必要ないことがほとんどです。
発熱・頭痛・関節痛がある時は解熱鎮痛薬を、かゆみが強い時はかゆみ止めが処方されます。
家庭で
注意すること
発熱がなく元気でも、発疹が消えるまでは家の中にいるようにしてください。
ぐったりとして元気がない時や、熱が3日以上続く時は、診察を受けましょう。
子供にとっては軽い病気ですが、お母さんが妊娠中(特に妊娠三ヶ月 まで)にかかると胎児に色々な障害〔先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)〕を起こすことがありますので注意が必要です。妊婦が風疹に感染して胎児に影響が出る確率は、妊娠1カ月以内で約5割、3カ月以内で約2割と言われています。 妊娠前に予防接種を受けておくことが大切です。


流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)
  ・・・ 一般的に『おたふくかぜ』と言われています
特徴 唾液腺の1つである耳下腺(耳の下)が腫れて痛くなる病気です。
症状 耳の下が腫れて痛みがあります。普通、左右とも腫れますが、片方だけのこともあります。腫れは、1週間くらいでおさまります。耳の下(耳下腺)のほか、顎の下(顎下腺)が腫れることもあります。
通常、38度だいの熱が2〜3日出ますが、でないこともあります。
感染経路 飛沫感染
また、ウイルスは患者の唾液やその他の分泌物に含まれていますので、手を介して口から感染することもあります。
潜伏期間 14〜21日
治療 熱や痛みを抑える薬が処方されますが、安静が大切です。痛いときには冷湿布も有効です。
合併症 髄膜炎・脳炎・膵炎などがあります。また、成人男性には睾丸炎、成人女性には卵巣炎がみられることがあります。
家庭で
注意すること
痛みが強い時は、流動食を中心に与えてください。すっぱいものや刺激物は避けましょう。
熱が続く時や頭痛・吐き気が見られる時、睾丸を痛がる時などは合併症の心配がありますので、まだ薬が残っていても診察を受けるようにしてください。


伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)
  ・・・ 一般的に『りんご病』と言われています
特徴 ほっペがりんごのように赤くなることから、りんご病と呼ばれています。
症状 両頬が、りんごの様に赤くなり、その後、腕や太ももに赤い斑点やまだら模様がでます。通常、熱は出ないことが多く、出ても微熱程度です。発疹は1〜2週間で自然に消えていきます。ただし、大人がかかると微熱が出たり、膝が痛むことがあります。
感染経路 飛沫感染
潜伏期間 1〜2週間
発疹のでる前(1週間くらい)が人に伝染する期間で、発疹が出てからは伝染する危険がなくなりますので、隔離する必要はありません。
治療 自然に治りますが、かゆみが強い時はかゆみ止めが処方されます。
家庭で
注意すること
激しい運動は避け、安静にして過ごしましょう。お風呂の長湯や、運動による体温上昇、日光に長くあたると、赤みが強くなり長引くことがあります。
妊婦が感染すると、早産・流産を招く恐れがありますので、注意して下さい。


咽頭結膜炎(いんとうけつまくえん)
  ・・・ 一般的に、『プール熱』と言われます。
特徴 水泳の授業を行う夏期に多発するため、「プール熱」と呼ばれています。
症状 39〜40℃の高熱が4〜5日続き、のどの痛みが強く、眼も赤くなります。頭痛・吐き気・腹痛・下痢をともなうこともあります。
感染経路 唾液や涙のついたタオル、衣服から接触感染します。プールの水からも感染します。
潜伏期間 2〜14日
治療 熱やのどの痛みを抑える、対症療法の薬が処方されます。
家庭で
注意すること
熱が続きますので、熱さましを上手に使い、脱水症に気をつけて下さい。
予防法
伝染力が強いので、患者とタオルを共用しないようにしましょう。
プ−ルの後、流水で手を30秒以上洗いましょう。石けんを使えば、より効果的です。手を洗ってからうがいをすることも、予防になります。プ−ルでは、できるだけ目をこすらないようにしましょう。


◆嘔吐下痢症(おうとげりしょう)
特徴 冬に乳幼児がよくかかる病気で、ロタウィルスやアデノウィルスによって感染します。
白いお米のとぎじるのような便がでることから、仮性コレラなどと呼ばれたりしています。
症状
病名のとおり、下痢・嘔吐が主症状です。突然吐きはじめ、続いて水のような下痢(レモン色〜白色)になります。下痢は平均1日数回で5〜7日持続します。30〜50%に白色便がみられますが、血便になることはまずありません。嘔吐は60〜90%の人にみられます。
発熱もしばしばみられますが、1〜2日と短期間です。
感染経路 便からの経口感染が主ですが、空気感染の場合もあります。
潜伏期間 2〜3日
治療 食事療法がいちばん大切です。
脱水症状をおこす場合があり、脱水の程度によっては点滴、さらに入院治療が必要な場合もあります。
家庭で
注意すること
はきけが強いときはしばらく何も飲ませないで、はきけが落ちついてきたら、
イオン飲料・番茶・湯冷まし・野菜スープなどをすこしずつ、何回にも分けて飲ませます。下痢がひどく、水分の摂取が思うようにできないときは、点滴が必要になることもあります。詳しくは、『処方せん豆知識 第6号こどもが吐いたり・下痢が続いたりした時』を参照してください。
症状が重く点滴が必要と思ったら、早めに医療機関を受診してください。


◇細菌性感染症

◆溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)
特徴 A群β溶血性連鎖球菌という細菌の感染でおこる病気の総称です。
症状
溶連菌という細菌が喉に感染して、38〜39度の発熱と共に、喉や口の中が炎症をおこして真っ赤になります。
その後、赤く細かい発疹が手足や体にでます(口のまわりにはできないのが特徴です)。舌はイチゴのようになり、唇があれます。
嘔吐・腹痛・筋肉痛・関節痛などが見られることもあります。以前は、猩紅熱(しょうこうねつ)と呼ばれ法定伝染病でしたが、現在では抗生物質の投与で完全に治るようになったので、一般の病気として扱われています。
感染経路 接触感染・飛沫感染
潜伏期間 2〜7日
治療 抗生物質が処方されます。抗生物質を服用すると2〜3日で熱が下がり、のどの痛みや発疹などの症状は消えますが、溶連菌は残っていて再発したり合併症を起こしたりしますので、医師の指示に従うようにしてください。
合併症 治ってから2〜3週後に、急性腎炎やリウマチ熱、アレルギー性紫斑病などを起こすことがあります。通常約1カ月後に尿を調べ、合併症がおきていないことを確認します。
リウマチ熱:関節炎や心臓の炎症をきたし、弁膜症から心不全にいたることもある膠原病の一種
家庭で
注意すること
兄弟や両親に同じ様な症状があるときは、受診してください。
喉の痛みや発熱のため食欲がない時は、水分を中心に口当たりの良いものをあたえてください。くれぐれも、薬を勝手にやめないように気をつけてください。


◆鵞口瘡(がこうそう)
特徴 乳幼児の口の粘膜にできるカンジダというカビの感染症です。
症状 頬の内側や、上あご・舌などに、白色のミルクのかすのような隆起した粘膜斑点がついています。これはカンジダというカビがはえているためです。
軽くこすってもはがすことができず、無理にはがそうとすると出血します。痛みはないのですが、食欲がおちることがあります。
感染経路 接触感染
潜伏期間 2〜3日
治療 ぬりぐすりが処方されます。
家庭で
注意すること
哺乳瓶など、赤ちゃんが口にするものにもカビがついている可能性がありますので、熱湯消毒をしましょう。


◆百日咳(ひゃくにちぜき)
特徴 顔を真っ赤にして激しくせき込む発作が一ヶ月以上も続く病気です。この病気は、お母さんからは免疫をほとんどもらえないので、新生児でもかかることがあり、注意が必要です。
一度かかると一生免疫ができるため、二度とかかることはありません。
症状
くしゃみ・鼻水・咳など普通の風邪のような症状が約1〜2週間続いた後、次第にせき込みが見られるようになります。顔を真っ赤にしてコンコンと連続的に咳込むようになります。咳のあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような音が出ます。この状態が、2〜3週間続きます。
6カ月未満の赤ちゃんは、咳の発作のあと呼吸が止まってしまうことがあるので、入院が必要となることもあります。  
発熱をすることはありません。
感染経路 飛沫感染が一般的ですが、菌は唾液や気管分泌物にも含まれていますので、手を介して口から感染することもあります。
潜伏期間 1週間
治療 抗生物質症状にあわせて咳止め・去痰薬が処方されます。
合併症 肺炎・中耳炎・百日咳性脳症などが知られています。
家庭で
注意すること
咳発作は食事中や夜間におこりやすいです。胃がふくれていると咳き込んだときに吐きやすいので、消化のよいものを少な目に、回数を多く上げるようにしてください。
せき込んで吐くことがありますので、特に寝る前にはおなかいっぱいにしすぎないように気をつけて下さい。
気道の刺激となる気温の変化やタバコの煙は避けるようにしましょう。

予防接種前の3ヶ月以内の赤ちゃんに感染した百日咳は重症になりやすいので、百日咳の子供は、赤ちゃんには絶対に近づけないようにしてください。
百日咳の予防接種は三種混合(ジフテリア・破傷風・百日咳)で生後3カ月から受けられます。できるだけ早めに受けるように心がけて下さい。


 予防接種を受けましょう

病原体が身体の中に入り、感染症として発病するかしないかは、入ってきた病原体の量や強さと、その人のもつ抵抗力とのバランスで決まります。つまり、同じ数の病原体が体内に入ってきても、抵抗力の弱い人は発病し、日頃から十分な抵抗力を付けている人は、発病しません。

予防接種とは、ある特定の感染症に対して、人為的に抵抗力(免疫力)をつけて、感染が成立しないようにするための防衛手段です。

赤ちゃんの持っている病気に対する抵抗力(免疫)は、百日咳や水痘(みずぼうそう)では生後3ヶ月までに、麻疹(はしか)やおたふく風邪では生後8ヶ月ころまでに自然に失われていきます。この時期を過ぎますと赤ちゃんは、感染症に対して全く無防備な状態になり、いろいろな病気にかかりやすくなります。
中には命にかかわる病気もあるので、そうした病気は予防接種で、できるかぎり防いであげたいものです

予防接種は、病原体になんらかの方法を加えて、発病しない程度のものに変えたワクチンを、身体の中に入れ、体内で病気にかかったのと同じ反応をおこさせるものです。
体内では、その病原体にたいする免疫力(抗体)をつくることを利用したものです。

◇ワクチンの種類

予防接種に使う液を、ワクチンといいます。ワクチンの作り方や、それに伴う効果の現れ方によって次の3種類に分けられます。

◇ 生ワクチン・・・麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ・ポリオ・BCG等
生きている病原体の毒性を弱めたもので、その感染症にかかった場合に近い免疫(抗体)をつくろうとするものです。接種後、体内で病原体の増殖が始まり、発熱や発疹などの軽い症状が出ることもあります。通常1回の接種で有効ですが、十分な免疫を獲得するのに4週間位かかります。

不活性化ワクチン・・・ インフルエンザ・百日咳・DTP・日本脳炎・B型肝炎等
病原体を殺し、免疫を作るのに必要な成分を取り出し毒性をなくして作ったものです。
病原体は体の中で増殖しないので、1回では十分な免疫が得られません。何回か追加接種が必要となり、その効果も生ワクチンほど長続きしないので、何年かに一度は、追加の接種が必要なワクチンです。
DTP:ジフテリア・破傷風・百日咳の3種混合

◇ トキソイド・・・ジフテリア・破傷風等
菌が持つ毒素によって病気が引き起こされるものは、菌が産生する毒素だけをとりだし、無毒化してワクチンをつくります。十分な免疫を得るには、不活性化ワクチンと同様、何回かの接種が必要になります。

◇予防接種の種類

1994年10月から予防接種法という法律が大きく変わりました。従来は、国が定めた病気を予防する目的で、国民は義務として予防接種をうけなくてはならない仕組みになっていましたが、新しい予防接種法のもとでは、国民は予防接種をうけるように努めなくてはならないという表現に変わりました。

◇ 定期接種・・・ポリオ・麻疹・BCG・風疹・日本脳炎・DTP
ある年齢になったら「保護者が積極的に接種に努めなければならない」とされているのが定期接種です。
義務ではありませんが、病気の危険性から国や自治体が強く予防接種を勧めているもので、決められた期間内なら公費の補助で接種でき、万一事故が起こったときには、国の救済制度が受けられます。

◇ 任意接種・・・おたふくかぜ・水ぼうそう・B型肝炎・インフルエンザ
希望者だけが受ける予防接種で、接種は自費になります。任意接種の対象になる病気もやはり合併症や後遺症の危険性を伴うので接種が勧められています。なお、任意接種でも薬害補償制度の対象になり、健康被害の起きた場合は救済措置が受けられます。

なお、定期接種とされている予防接種でも、法律で定められた対象年齢をはずれて実施する場合には任意接種として取り扱われます。


 登校禁止基準

学校などの集団生活の中で感染症が発生すると、またたく間に蔓延してしまう危険性があります。
そこで、学校保険法では伝染病に罹患した児童や生徒の登園・登校停止や学校の休業(学級閉鎖や学校閉鎖)について規定しています。
登園・登校禁止期間は、伝染病の種類によって異なります。

出席停止は学校保健法施行規則によって、伝染病を3種に分けて規定しています。

第一種 感染症予防法1類及び2類の感染症で、その病気が治癒するまでとされています。
第二種 飛沫感染する伝染病であり、出席停止期間の基準がそれぞれ規定されています。
第三種 伝染病は学校教育活動を通じて流行を広げる可能性がある伝染病で、医師の判断、もしくは条件によって対応が異なってきます。

今回、ご紹介しました疾患は、第二種・第三種の分類に属するものです。
下記の疾患については、登園・登校基準が定められています。

病名
登園・登校停止期間のめやす
インフルエンザ 解熱後2日間を経過するまで
麻疹 解熱後3日間を経過するまで
風疹 発疹が消失するまで
水痘 すべての発疹がかさぶたになるまで
百日咳 特有な咳が消失するまで
流行性耳下腺炎 耳下腺のはれが消失するまで
咽頭結膜炎 症状がなくなったあと2日を経過するまで

なお、保育園に通う3歳未満児に多い以下の感染症には登校登園基準がないので、主治医が登校登園しても差し支えないと認めるまでを出席停止期間としています。
ヘルパンギーナ・手足口病・伝染性紅斑(りんご病)・溶連菌感染症・ 乳嘔吐下痢症・突発性発疹等


◇生活上の注意

手洗い・うがいを習慣にしましょう。また手に触れるおもちゃなど時々洗う、オムツを替えた後は手にウイルスが大量についていることがありますので、他の子供にうつさないためにもしっかり手を洗うことが大切です。治ってからもしばらくは糞便中にウィルスがでていますので、注意が必要です。

熱が高いときや、下痢をしたときの対応については、『処方せん豆知識第7号こどもの発熱と解熱剤のついかい方第6号こどもが吐いたり・下痢が続いたりした時』を参考になさってください。


 まとめ

今回取り上げた症状や経過等は主なものです。個々により症状は異なりますので、自己判断せず早めに医療機関にかかりましょう。
また、各保健所のホ−ム−ペ−ジには、感染症の発生動向が掲示されていますので、気になる方は、そちらも参考になさってください。

相生薬局 薬剤師   坂口 愛美子 



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