アルバ会社説明会


第42号 帯 状 疱 疹

2005/3/30

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今回の処方せん豆知識は、帯状疱疹(たいじょうほうしん)についてお話しします。
一般に「ヘルペス」と呼ばれることもありますが、ヘルペスには、今回詳しくご紹介する帯状疱疹と単純疱疹(たんじゅんほうしん)があります。一般にヘルペスという場合は、帯状疱疹をさしていることが多いようです。もう最近とはいえませんが、テレビや新聞で「コイヘルペスウイルス病」によって沢山のコイが死んでしまったとの報道がなされて大変驚きました。コイヘルペスウイルスは、コイ以外の魚や人には感染しませんのでご安心ください。コイヘルペスウイルスは、30℃以上では増殖することができないため、人(体温:30〜37℃)では感染が成立しないそうです。
余談はこれぐらいにして帯状疱疹について触れることにします。

 帯状疱疹てどんな病気?

 帯状疱疹は、子供の時にほとんどの人がかったことのある「水ぼうそう」の原因ウイルスである「水ぼうそうウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)」によって引き起こされます。
水ぼうそうに感染すると、体内の免疫の働きにより抗体ができることによって治ります。しかし、このウィルスは治った後も、体の「神経節」とよばれる神経細胞に潜伏しています。何らかのきっかけで体の抵抗力が落ちると(疲れ・風邪・ストレス・大病・急激なダイエットなど)、再び活動を開始し増殖を始め帯状疱疹を発症します。増殖は神経に沿って体の左右どちらか片方の皮膚に帯状に水ぶくれが拡がるため、帯状疱疹と呼ばれます。一般に、高齢者では免疫力が低下していることが多いため、より発症しやすい傾向があるといわれていますが、最近では、高齢者だけでなく10代から20代の人にも発症するケースが見られます。
また、帯状疱疹は一度かかると、通常は一生再発することはないといわれていますが、100〜200人にひとりぐらいの割合で再発する場合があります。

○単純疱疹(単純ヘルペス)
単純疱疹は、「単純ヘルペスウイルス」によって引き起こされる病気で、帯状疱疹の原因ウイルスとは異なっています。風邪を引いたときによくできるので「熱のはな」とも呼ばれる皮膚病で、特に顔面や口の周りによく出ますが、口の中や性器など体のどこにでもできます。小さな水ぶくれがいくつか固まってみられ、痛がゆい感じがします。やがて、水ぶくれは破れ、かさぶたとなって、2週間ぐらいで自然に治ります。また、単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、直接的な接触のほかに、ウイルスがついたタオルや食器などを介して感染することがあります。帯状疱疹とは異なり、一度かかると何度も再発することが知られています。

○帯状疱疹と単純疱疹の違い
帯状疱疹 単純疱疹
○原因ウイルス 水ぼうそうウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)
単純ヘルペスウイルス
○よくできるところ 体の左右どちらかの片方に帯状に水ぶくれができる。
顔・胸・背中などによくできる。
体のどこにでもできるが、特に口唇(こうしん)を中心に顔面・眼のまわり・指・おしり・性器などの皮膚や粘膜によくできる。
○人にうつるか 原則的にうつることはないが、まだ水ぼうそうになっていない人に接触すると水ぼうそうを発症する。 感染力が強く人にうつる。
自分自身でも別の所にうつることがある。
○再発するか 一度かかると、通常は一生かからないが、まれに再発することがある。 一度かかると、何度も再発することがある。特に、体の抵抗力が落ちると再発しやすい。

 症 状

発症初期は皮膚にピリピリ・チクチクした痛みが起こります。しばらくすると、体の片側の神経に沿って帯状に赤みを帯び、やがて小水疱(水ぶくれ)が現れます。小水疱は1週間から10日程経つと、破れて全体に赤くただれたようになり、発症から2〜3週間後にはかさぶたができて治ります。一方、最初に感じた痛みは、水ぶくれが現れるとともに個人差はありますが、一般的に激しい痛みを伴います。
よくできる場所としては、神経が密集している胸や背中(脊髄周辺)・顔や頭(三叉神経)・腕などが多いようですが、顔にできた場合は、目のそばにおよぶと眼球を傷つけたり、耳の近くにできると顔面神経マヒを生じたりすることもありますので、注意が必要です。
また、皮膚の症状が治ったあとも、神経痛などの痛みだけがいつまでも続くことがあります。

 人にうつることはありますか?

原則的に人にうつることはありませんが、水ぼうそうになっていない人と接触すると、相手が水ぼうそうになってしまうことがあります。水ぶくれが治るまでは、まだ水ぼうそうにかかっていない赤ちゃんや子供・妊産婦さんなどには接触しないほうがいいでしょう。

 帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんごしんけいつう)

帯状疱疹のやっかいな所は、皮膚症状が治ったあとにも神経痛などの痛みが後遺症として残る場合(一般に3ヶ月以上)があり、これを帯状疱疹後神経痛といいます。しかし、帯状疱疹にかかった人全てに起こるわけではありません。
痛みの感じ方は個人差があり、「突き刺すような痛み」「焼けるような痛み」「電気が走るような痛み」などさまざまですが、痛みが毎日続くため日常生活に支障をきたすことが多いようです。高齢者に多く見られ、患者さんのほとんどが50歳以上といわれています。また、糖尿病の方は神経細胞が損傷を受けている場合があり、帯状疱疹後神経痛も重症になりやすいといわれています。

 治 療

一般に、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の内服あるいは点滴をする方法を行います。痛みや皮膚症状に応じて痛み止めや外用薬を使います。

○抗ウイルス薬
ウイルスは約72時間で増殖のピークをむかえるといわれていますので、ウイルスが増殖のピ−クをむかえる前に抗ウイルス薬を使用すると効果的です。つまり、初期の皮膚症状が現れる前に、抗ウイルス薬を使用すると後遺症を起こす割合も少なくなると考えられています。

○消炎鎮痛剤
炎症を抑えて、急性期の痛みを取り除きます。急性期の痛みをしっかり抑えることも、痛みの記憶を残さないために大切です。

○帯状疱疹後神経痛の痛みをやわらげる
痛みの程度に応じて鎮痛剤(内服・坐薬)や抗うつ薬(神経痛に効果があるケースが多くある)・抗けいれん薬を用います。神経のビタミンとしてビタミンB12を用いることもあります。神経痛に対しては薬物療法のほかにも神経ブロック療法(局所麻酔薬を点滴注射して、痛みを一時的に止める方法)やイオントフォレーシス療法(微量の電流を皮膚に流して、ステロイド剤や局所麻酔薬を浸透させ痛みを取り除く方法)、その他、鍼治療・レ−ザ療法なども有効なことがあります。いずれの方法も、個人によって合う合わないがありますので、主治医と相談しながら治療に取り組みましょう。


 日常生活

できるだけ安静にして、栄養と睡眠を十分とり体力を回復させることが一番です。患部を冷やすと返って痛みを増すことがあります。できるだけ温めるようにしましょう。特に、帯状疱疹後神経痛の場合は、入浴などで患部を温めると血行がよくなり痛みが軽減されます。ただし、入浴や洗髪は皮膚の症状によっては制限されることがありますので、主治医の指示に従ってください。その他、ストレスや疲労が痛みを増す原因になることもありますので、リラックスして過ごすように心がけましょう。
特に帯状疱疹後神経痛の場合、痛いからといって家に閉じこもりがちで、痛みのことばかりが気になり、落ち込んだり不安になったりすることでストレスが一層溜まり、痛みの悪循環が起こってしまうことがあります。帯状疱疹後神経痛の痛みは、1年以上続くことも希ではありません。仕事や趣味などに熱中することにより、痛み以外のことに気が向くようにすることも大切だといわれています。

 まとめ

帯状疱疹に対しての予防はなかなかありませんが、早期発見と早期治療で後遺症は防げます。特に、高齢者の場合、後遺症を起こすことが多いようです。ここで説明したような症状があれば、できるだけ早く皮膚科を受診し医師の指示に従うようにしてください。ウイルスの増殖は72時間でピークに達しますので、ウィルスの増殖しきらないうちに抗ウィルス薬などで治療をすることにより、神経の変性を最小限に抑えることができ、後遺症を残すことが少ないといわれています。疲れやストレスなどから発症する事も多いので、趣味や気分転換を行い疲れやストレスを溜めないようにする事が最大の予防法かもしれません。


アルバ薬局 御幣島店 薬剤師  松永 圭介 




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