アルバ会社説明会





第48号 高血圧 その3

2005/9/25

目次:
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高血圧 その3
「高血圧その1」では、高血圧全般にわたってご説明いたしました。又、「高血圧その2」では、薬物療法について解説して参りました。今回の「高血圧その3」では、患者様からよくあるご質問についてお答えします。その1・その2と内容が重複するところがありますが、総まとめとして書かせていただきます。



◆高血圧全般
 Q.どのくらいからを「高血圧」というのですか?

A.
収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上または拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上を「高血圧」といいます。
正常な血圧は、収縮期血圧(最高血圧)が130mmHg以下で、かつ拡張期血圧(最低血圧)が85mmHg以下です。
病院では一時的に血圧が上がる人もいるため、家庭でリラックスして毎日測れる家庭血圧では、収縮期血圧(最高血圧)が135mmHg以上または拡張期血圧(最低血圧)が85mmHg以上という新基準ができました。
また、糖尿病や腎疾患がある場合には、より血圧を低くコントロールする必要があります。

 Q.早朝高血圧ってなんですか?

A.
起床後、早朝の血圧が特異的に高い状態のことをいいます。明け方は、体が活動の準備を始めるために交感神経が活発になり、血圧が上がったり脈拍が急に増えたりする時間帯です。また、動脈硬化や心臓が肥大する原因になるホルモンの働きによって、血管の中に血のかたまりができやすくなる時間帯でもあります。
このような条件が重なるため、明け方には脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなります。早朝の血圧をコントロ−ルすることは、脳卒中や心筋梗塞を予防する上でもとても大切なことです。

 Q.白衣高血圧ってなんですか?

A.
家で血圧を測ると正常なのに、病院で測ってもらうと異常に血圧が高い状態を「白衣高血圧」といいます。病院に行くと、緊張して交感神経が活動するため、血圧が上がったり脈が早くなったりすることが原因です。最近の家庭用血圧計は精度が高く、病院で測った時と大幅に違うことはまず考えられません。このような場合には、家で測った血圧を記録して、診察のときに主治医にみせるようにしましょう。
また、これとは反対に、病院で測ると低いのに、家で測ると常に高い状態は「仮面高血圧」と呼ばれています。

 Q.高齢になると、どうして血圧が高くなるのですか?

A.
年齢とともに、血管に変化が起こることが大きな原因です。
以下のような原因が考えられます。
1.血管の壁にコレステロ−ルがたまり「動脈硬化」が起こる
2.血管の老化によって、血管壁の弾力性が低下する
3.血管が細くなり、血管抵抗が増える

 Q.高血圧って遺伝するのですか?

A.
高血圧になる体質は、遺伝するといわれています。ただし、遺伝よりも食生活や生活習慣が血圧を上げる原因になることが多く、家族に血圧が高い人がいるからといって必ず血圧が高くなるとは限りません。反対に、家族に血圧が高い人がいなくても、高血圧になるリスクはあります。

 Q.高血圧によって頭痛は起こりますか?

A.
一般的には、頭痛は高血圧の状態と関係しているといわれています。
症状がまだ軽い時は、後頭部が痛い、後頭部が重いと感じることが多いようです。
症状が重くなると、頭蓋内圧が高くなるために、早朝時の後頭部あるいは前額部の頭痛と吐き気がみられます。(日中は症状が軽くなる)

ただし、頭痛もちのヒトでは、頭痛がしたときに測ったら血圧が高いこともあります。これは頭痛が原因で、血管が緊張していたり、痛みを抑えようと体の中のホルモンが働くためです。

血圧の上がり下がりが激しい高血圧では、著しく血圧が上昇する時に頭の痛みが起こることが多いようです。

 Q.血圧が高いと、体にはどんな症状がでるのですか?

A.
血圧が高くても、初期であればほとんど症状はなく、健康診断で発見されるということが少なくありません。早期発見のためにも、定期的な健康診断は必要です。
上記でとりあげた頭痛も、高血圧の状態と関係しているといわれている症状です。

この他、鼻血・めまい・肩こり・ふらつき・耳鳴りなどが起こることがありますが、これらは特異的な症状ではなく、高血圧に伴って、これらの症状がでることはありますが、これらの症状があっても血圧が高いとは限りません。



◆食事編
 Q.塩分を控えるようにいわれました。
   塩分を控えると必ず血圧が下がるのですか?

A.
人間の体は、過剰な塩分は腎臓から尿として出す働きがあります。この腎臓の働きが、正常であれば、少々塩分を過剰にとっても血圧は上がることはありません。
また、塩分によって血圧が上がりやすい人と、上がりにくい人がいます。
もともと塩分によって血圧が上がりにくい人が、極端な減塩をしても、血圧は下がりにくいだけでなく疲れやすくなったり、無気力になったりすることもあります。
ただし、過剰な食塩は体内の水分量を増やしたり、血管を収縮させたりして血圧を上げます。1日10g以下の減塩は必要でしょう。

 Q.どのようにして、塩分を控えるのがいいのでしょう?

A.
減塩を成功させるカギは,素材を生かして薄味にすることです。
最初から一気に薄味にするより、徐々に塩分を減らし、味覚をなれさせていきましょう。醤油の代わりに、酢やレモンなどの調味料を使用するのもお勧めです。

 Q.油っこいものを控えるようにいわれました。
   1日の脂肪の量はどれくらいが適当なのですか?

A.
1日の脂肪の摂取量は、1日の総エネルギ−の20〜25%がよいといわれています。炭水化物・蛋白質のカロリ−は1gあたり4kcalですが、脂肪は9kcalと2倍以上のカロリ−になります。
1日のエネルギ−が2000kcalであれば、50gくらいの脂肪が適量でしょう。
食品には炭水化物・蛋白質・脂肪をはじめ各種ビタミン類・ミネラル類などたくさんの栄養素が含まれます。単純に脂肪としての適量を計算するのは大変です。
目安として、多脂肪食品(脂っこいといわれている食品)は、半分程度の脂肪が含まれています。
また、調理方法にも工夫をしましょう。例えば、すき焼きよりもしゃぶしゃぶ、鉄板で焼いたステ−キよりも網で焼くなど。
たとえば、50g程度の脂肪を目安にするときは、食品としては100g程度が適量でしょう。
ただし、食用油は脂肪分そのものですので料理で使う食用油の量にも注意が必要です。

 Q.不飽和脂肪酸がいいと聞きますが、どんなものに含まれるのですか?

A.
不飽和脂肪酸は、魚・植物性食品に多く含まれています。
バタ−・ラ−ド・生クリ−ム・肉の脂身などの動物性脂肪は、血液中のコレステロールを増やしますが、サラダ油・オリブ油・ゴマ油・青魚(いわし・にしん・さんまなど)の不飽和脂肪酸を多く含む油は、コレステロールを減らします。動物肉を減らす代わりに魚、豆類を多く摂るようにしましょう。
特に、いわし・にしん・さんま等の青魚は、血液をさらさらにするEPAやDHAを多く含みます。

ただし、多価不飽和脂肪酸を多く含む食品は非常に酸化しやすいため、魚は新鮮なものを早いうちに食べることが大切です。
スーパーなどで売られているパック詰めの切り身は、光に当てられて長時間おかれているものもあり、酸化が進んでいる場合が多く注意が必要です。
※処方せん豆知識第23号「高脂血症の話」を参照

 Q.良質なたんぱく質ってどのようなものですか?

A.
良質なたんぱく質とは、必須アミノ酸(ヒトが生きていく上で必ず必要で、体内では作られないため食品から摂らないといけないアミノ酸)をバランスよく含むものをいいます。
血管をはじめ、人間の体の多くはタンパク質で作られています。良質なタンパク質を摂ることは、しなやかな血管を作るためにも大切です。
※処方せん豆知識第38号「栄養素と健康」を参照

 Q.コ−ヒ−は血圧を上げるのですか?

A.
コ−ヒ−や紅茶に含まれるカフェインには、一時的に血管を収縮させて血圧を上げる働きがあります。一度に大量のコ−ヒ−や紅茶を飲むことは避けましょう。



◆生活編
 Q.ストレスは、どうして血圧を上げるのですか?

A.
ストレスがかかると、ストレスから体を守ろうとして、「副腎皮質ホルモン」というホルモンが出て交感神経を活発にします。交感神経は、心臓をドキドキさせたり、血圧を上げたりする働きがあります。

 Q.睡眠不足が続いています。朝に血圧を測ると、 
   
いつもより血圧が高い気がしますが、睡眠不足と関係ありますか?

A.
夜間には、「副交感神経」という血圧を下げて体をリラックスさせる神経が働き、昼間の疲れをいやして次の日の活動にそなえます。朝から日中にかけては、「交感神経」という血圧を上げて体を活動的にする神経が働きます。
睡眠が十分にとれないと、この神経の切り替えがうまくできません。夜間でも交感神経が働き、血圧が高くなり、体が十分にリラックスできず、翌朝にも疲れが残っていたり、血圧が高くなってしまいます。

 Q.生活リズムと血圧って関係あるのですか?

A.
規則的な生活リズムは、体の機能を調節するホルモンや、自律神経といわれる神経の働きを正常にします。反対に、生活リズムが乱れると、夜間でも神経がリラックスできずに血圧が高い状態が続いたり、血圧を上げるホルモンが過剰に出てしまったりします。
仕事によっては、昼と夜が逆転したり、食事の時間がずれることもあるでしょう。ご自分の生活に合ったリズムを作ることが大切です。

 Q.たばこは血圧を上げるのですか?

A.
たばこに含まれるニコチンは、血管を収縮させたり、心拍数を増やし血圧を上げます。

 Q.冬に測ると、夏と比べて血圧が高い気がしますが、
   
冬には血圧が上がるのですか?

A.
誰でもというわけではありませんが、冬は血圧が高くなりやすい季節です。暖かい室内から寒い戸外に出るときなど、体が急に寒さにさらされると、交感神経が刺激されて血圧が上がります。室内は暖かくしていても廊下やトイレが寒かったり、浴室は暖まっているが脱衣所は寒いというような急激な温度差によって血圧が上がります。
一般に、冬では体温を保とうと血管が縮まることが多く、血圧は高くなるといわれています。

 Q.血圧が高いのですが、入浴で注意することはありますか?

A.
血圧が高い方では、熱いお湯は避けましょう。熱いお湯(40℃以上)では、交感神経が働いて血圧はさらに高くなってしまいます。
お湯の温度は、少しぬるいと感じる温度(38℃〜40℃)程度がよいでしょう。
ぬるめのお湯にゆっくりとつかると、副交感神経という体をリラックスさせる神経が働くので、血圧は下がります。

 Q.運動には血圧を下げる効果がありますか?

A.
運動をすることで
1.血圧を上げる働きのある神経(交感神経)と、体をリラックスさせる神経(副交感神経)のバランスがよくなります。
2.尿の出をよくするために、体液量が減ります(利尿効果)。
3.血行がよくなり血管が拡がります。
これらによって、血圧を下げる効果が期待できます。



◆お薬編
 Q.薬を飲んでいれば、食事や運動はしなくてもいいのですか?

A.
薬はあくまでも、補助的なものです。薬で、体質を変えることはできません。
根本的な治療は、血圧が高くならない体を作ることです。それには、食事・運動が不可欠です。

 Q.朝の血圧の薬を飲み忘れたのですが、お昼に飲んでもいいですか?

A.
血圧は、夜間睡眠中に低くなり、午前3時頃最低となります。また、起床時間に先駆けて上がっていき、早朝から日中に高くなります。朝に薬を飲むのは、日中の血圧を安定させるためです。

最近は、朝1回飲むだけで、1日中血圧のコントロ−ルができる薬も増えています。
1日1回、朝に飲む薬を飲み忘れた場合には、午前中であれば飲んでもかまいません。
ただし、夕方近くになって朝飲み忘れたことを思い出したとしても、飲まないようにしましょう。
夜間は、日中よりも血圧が低く、次の朝に飲む薬と効果が重なってしまうことがあります。

医師に連絡がとれる場合、また医師から指示がある場合には、医師の指示に従うようにしましょう。

 Q.血圧の薬は、血圧が高い時にだけ飲めばいいのですか?

A.
血圧の薬は、日常生活での血圧のコントロ−ルをすることが目的です。血圧が高い時だけ、飲めばいいというわけではありません。
血圧が高い状態が続くと、心筋梗塞や脳梗塞などの虚血性血管疾患のリスクが高くなるだけではなく、心臓にも大きな負担になります。
また、血圧の変化が大きいことも、これらのリスクを高くします。薬を飲んで血圧をコントロ−ルすることは、これらのリスクを減らして、健康な生活を送るために必要なのです。

 Q.血圧の薬を飲んでいたら、血圧が下がってきました。
   もう、飲むのを止めてもいいですか?

A.
薬をきちんと飲んでいると、薬の効果で血圧は下がってきます。
ただ、薬が効いて血圧が下がっている場合は、薬によっては飲むのを止めると急に血圧が上がる場合があり危険です。勝手に飲むのを止めずに、必ず医師の指示に従ってください。

 Q.血圧の薬は、ずっと飲まないといけないのですか?

A.
薬はあくまでも、補助的なものです。薬で、体質を変えることはできません。
根本的な治療は、血圧が高くならない体を作ることです。それには、食事・運動が不可欠なのです。
食事や運動で、血圧が安定してくると、薬を減らすことも止めることもできます。
ただし、他の病気があるために血圧が高くなっている場合には、病気の進行を抑えるためにも、薬が必要な場合もあります。
最も大切なことは、自己判断せずに医師に相談し指示に従うことです。

 Q.薬を飲んでからお酒を飲むと、血圧に影響はありますか?

A.
お酒は、血管を拡げて血圧を下げる働きがあります。薬の効果と重なり、血圧が下がりすぎる場合もあるため注意が必要です。

 Q.血圧の薬の副作用ってどんなものがありますか?

A.
1.めまい・ふらつきが起こることがあります。特に、立ち上がるときに起こりやすいので、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。
2.気分が悪い・吐いてしまう・食欲不振といった消化器症状がおこることがあります。
3.頭痛が起こることがあります。
4.眠くなったり、力が入らない状態になることがあります。集中できなくなるため、車の運転や危険な作業をするときには注意が必要です。

これらの副作用は、どの血圧の薬でも起こる可能性があります。
しばらくすると治まることもありますが、症状が続くようであれば主治医に申し出てください。


まとめ

今回の処方せん豆知識では3回に渡り、高血圧を取り上げました。高血圧は、現在、生活習慣病の中でも最も頻度が高く、がんに続いて、死因の上位を占める脳卒中や心筋梗塞などと深い関わりをもっています。
ストレス社会・飽食時代といわれる時代に生きる私たちは、栄養の偏った不規則な食事や運動不足・ストレスによって、高血圧のみならず、糖尿病や高脂血症といった生活習慣病を招きやすい環境で生きています。

アルバ薬局グル−プの各薬局では、皆様が健康で生き生きとした生活を送ることができるよう、病気の治療のみならず病気にならない体作りのお手伝いができること願っています。

アルバ薬局 兵庫駅前店
管理薬剤師 桾本 愛子




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