アルバ会社説明会



第62号 『めまい』について

2006/12/27

目次:

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“『めまい』について”

今年最後の処方せん豆知識は、「めまい」についてお話しします。めまい自体は病気ではなく、病気に伴って現れる不快な症状の一つです。また、めまいが起こるからといって、直ぐに命にかかわるようなものではありませんが、中には脳梗塞の前兆であったり、生命の危険にかかわるような病気が隠れていることもありますので、注意は必要です。



◇ めまいの種類

めまいは大きく分けると、回転性めまい・浮動性(ふどうせい)めまい・立ちくらみのようなめまいの3種類に分かれます。

<回転性めまい(ぐるぐるめまい)>

健康な人でも、ぐるぐる回ったあとで急に止まると、周りが回転しているような錯覚でめまいをおこしますが、回転性めまいはこの感覚と似ています。回転性めまいは、自分自身や周囲がぐるぐる回っている感じがします。激しいめまいのために、起き上がったり、横になって頭を動かすことも困難なくらいです。突然発症し、吐き気や嘔吐を伴うことが多く、バランス感覚を失います。また、耳が聞こえづらくなることもあります。回転性めまいの多くは、耳の内耳にある三半規管(さんはんきかん)や前庭(ぜんてい)の異常が原因で、耳に由来します。しかし、まれに第8脳神経や、小脳・脳幹部など、脳に由来する場合もあります。回転性めまいが起こる原因疾患としては、メニエール病・良性発作性頭位(りょうせいほっさせいとうい)めまい症・前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)などがあります。

<浮動性めまい(ふわふわめまい)>

体がふわふわした感じでふらついたり、地面が揺れているように感じて姿勢を保つことが難しく、まっすぐ歩けなくなります。首筋や後頭部が重く感じたり、しめつけられるような感じを伴うことが多いです。急に、あるいは徐々に現れ、頭痛やしびれ・運動麻痺などの神経に関係する症状を伴うことがあります。
浮動性めまいの原因を一概にいうことはできませんが、年代によっての特徴も見られます。


筋肉の緊張(筋肉のこり)による場合

30〜50代に多く見られ、肩こりなど筋肉の緊張が原因となります。肩こりがひどくなると、首筋や後頭部の筋肉の緊張を引き起こし頭部への血液の流れも悪くなるため、ふわふわした感じや頭の重い感じがします。


自律神経のバランスの崩れによる場合

更年期の50歳前後の女性に多い原因です。自律神経のバランスが乱れる原因は、ストレスや生活の乱れ、更年期障害などが原因となることが多く、特に更年期前後に多く、やはり男性よりも女性が多く、先に述べた、筋肉の緊張によるめまいと合わさって、ふわふわした感じや頭の重い感じがしている場合が多いようです。


動脈硬化による場合

60〜70歳代の高齢者に多く見られ、動脈硬化が原因で脳に十分な血液が送られないために起こります。直ぐに脳梗塞につながるというわけではありませんが、注意は必要です。


<立ちくらみ・眼前暗黒感>

脳へ送られる血液量が不足することで起こるのがこのタイプです。立ち上がった時に目の前が真っ暗になり、くらっとします。高血圧・低血圧など、血圧の変動に関係する全身性の病気が原因で起こることもあります。


◇ めまいのおこるしくみ
(処方せん豆知識 第34号耳のお話 ◆内耳の項参照)

私たちのからだには、からだのバランスをとる平衡系の仕組みがあります。バランス感覚の仕組みに障害が起きるとめまいが起こるのは、何となく分かるのではないでしょうか?では、わたしたちのからだは、どのようにしてバランスをとっているのでしょうか?
この“バランスをとる”という働きを担うのが「耳」です。
耳というと、「聴く」ための聴覚系の働きが真っ先に思い浮かぶでしょう。しかし、さらにもう一つ、「からだのバランスをとる」という平衡系の働きがあります。平衡感覚を受けもっている器官は、耳の内耳にある三半規管と前庭器官です。いずれも有毛細胞があり、中はリンパ液に満たされています。からだの動きに伴ってリンパ液が流れ、有毛細胞に触れると、この刺激が前庭神経から大脳へ伝えられます。さらにその情報が全身の筋肉に正確に伝わることによって、体のバランスを上手く保つようになっています。ところが、このシステムのどこかに異常が起きると、あたかも自分が動いているかのように感じてしまい、めまいが起こるのです。脳は、耳からの情報だけでなく、目からの視覚情報や、筋肉や関節からの位置に関する情報などを併せて正確に判断することで、体のバランス感覚を保っています。従って、内耳に異常があり、耳からの情報と目や他のところから来る情報にズレが起こった場合や、情報を伝達する神経や情報を統合する脳に障害がある場合には、めまいが起こります。
また、平衡系には異常がなくても、高血圧や低血圧など血圧の変動に関係する全身の病気が原因の場合や、ストレス・不安や心配事など心身の状態が影響している場合もあります。


◇ めまいを起こす病気

耳の異常が原因の場合 メニエール病 特徴 ぐるぐる目が回る回転性のめまいをおこし、目を閉じて横になっても耐えられないほどです。めまいは30分〜数時間続き、吐き気や嘔吐(おうと)を伴うためにひどい不安感におそわれることも多いようですが、命に別状はありません。めまいの発作とともに、低音の耳鳴りと低音域の難聴が見られます。
原因 耳の内耳にリンパ液がたまり、内耳が水ぶくれの状態になることによって起こります。
良性発作性頭位めまい症 特徴 耳の異常が原因のめまいで最も多いといわれています。寝返りをうった時や朝起きあがろうとした時など、頭を動かした時に、むかつき感と共に強い回転性めまいを起こします。めまいの発作は、頭位を変えた数秒後くらいに始まりますが、長く続くことはなく、数秒から数十秒程度です。
原因 耳にある前庭器官に異常があり、頭位変化を過敏に感じて起こると考えられています。
前庭神経炎 特徴 前庭神経(体のバランスを保つ情報を脳へ伝える神経)に炎症が起こると、正しく情報が伝わらず、めまいが起こります。風邪をひいた後1〜2週間経ってから発症することが多く、激しい回転性めまいと共に吐き気や嘔吐が起こります。めまいは徐々に良くなってはいきますが、何ヶ月か続く場合が多いようです。
原因 ウイルス感染や血液の循環障害が原因と考えられています。
突発性難聴 特徴 突然、片側の耳の難聴・耳鳴りが起こります。回転性のめまいを伴う場合と伴わない場合があります。
原因 内耳の循環障害・ウイルスなどが原因といわれています。
脳の異常が原因の場合 椎骨脳底動脈循環不全症(ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜんしょう) 特徴 中高年に多く見られます。ぐるぐる回る感じや、ふわふわした感じのめまいが起こりますが、長時間続くことはなく、長くても数分でおさまります。病気の進行に伴い、手足・口の周りのしびれ感や、言葉がしゃべりにくい、物が二重に見えるなどの症状が出るようになります。
原因 首から脳へとつながる椎骨動脈と脳底動脈の血液が不足すると、脳に十分な血液が運ばれずめまいが起こります。
脳梗塞・脳出血 特徴 脳梗塞や脳出血が起こると、小脳や脳幹に十分な血液が運ばれず、働きが異常になり、めまいが起こります。意識障害や運動障害、ろれつが回らないなどの症状を伴います。
聴神経腫瘍 特徴 前庭神経に腫瘍ができる(聴神経腫瘍)と、めまいが起こります。浮動性めまいや平衡障害が多く見られます。難聴や耳鳴り、顔の歪みなども見られます。また、脳腫瘍でもめまいが起こります。
その他が原因 自律神経失調症 特徴 若い人や女性に多く見られます。過度なストレスなどにより、自律神経の乱れが生じて起こります。
原因 精神的なストレス、不安や心配事などが原因となります。
頸性めまい 特徴 首を回したり伸ばした時にめまいを起こします。
原因 首の骨や筋肉、靱帯(じんたい)の異常が原因です。
高血圧・低血圧 特徴 血圧が急激に変動すると、脳に送られる血液量が不安定になり、めまいが起こります。
不整脈 特徴 心臓からの血液の送り出しが一時停止して、脳への血流が低下し、めまいが起こります。
低血糖など 特徴 血液中の血糖の量が少なくなりすぎると、フーッとすることがあります。


◇ めまいの検査について

めまいの検査では、いったいどのようなことをするのでしょうか?
めまいの検査には、簡単なものから、専用の医療機器を使用して行うものまで幅広くあります。

<問診>

問診では、めまいが起こったときの状況を伝えます。問診で、めまいの原因を探ると共に、どのような検査が必要かを選択します。そのため、めまいの状況を正しく伝えることは、とても重要です。問診では、以下のようなポイントを整理して、医師に詳しく正しく伝えるようにしましょう。

どのような状況で起こったのか(姿勢や頭位)
いつ起こったか
どれくらい続いたか
めまいの他に症状はなかったか(耳鳴り・難聴・耳の詰まった感じ・手足のしびれ・頭痛など)

<眼振検査>

めまいの程度を調べます。めまいの発作時には眼球が激しく揺れ動きます。この動きを眼振といいます。物を見つめない状態・見つめた状態・頭の位置を変えた状態などで眼振を観察します。

<体平衡検査>

体のバランスがきちんと取れているかを調べます。
両足または片足で立ち、眼を開けている時と閉じている時で、体のふらつきがどのように違うか観察します。また、足踏みをして体の向きがどの程度ずれるか調べることもあります。

<聴力検査>

原因が耳の異常かどうかを調べるため、低音・高温などの音の聞こえるレベルを記録します。

<画像検査>

原因が脳の異常かどうかを調べるため、CT・MRIで脳梗塞・脳出血・脳腫瘍がないかどうかを調べます。

<温度刺激検査>

耳の機能が正常かどうかを調べるため、耳に冷たい水やぬるま湯を入れて刺激し、眼振やめまいが起こるかどうか調べます。


◇ めまいを治療する薬

めまいが起こった時には、めまいに伴って吐き気や嘔吐がしたり、また強い不安感によりめまいをさらに悪化させるという悪循環も多く見られます。従って、めまいを改善する薬だけでなく、めまいに伴う諸症状を改善する薬が使われます。
内服(のみ薬)が困難な場合は、注射や点滴をすることもあります。

<抗めまい薬・循環改善薬>

主に、脳や内耳の血流を増加させることによって、めまいを改善します。脳や内耳に十分な血液が行き届かないと、体のバランスを保つ働きができず、また、リンパの循環も悪くなるため、内耳がむくみ、めまいが起こります。
  薬品名:メリスロン・セファドール・ATPなど

<吐き気止め>

めまいに伴う吐き気や嘔吐を抑えます。吐き気がひどくて内服できない場合は、注射や点滴をします。
  薬品名:ナウゼリン・プリンペランなど

<抗不安薬>

めまいに対する不安感を和らげます。不安感がさらにめまいを悪化させるという悪循環を解消します。ベンゾジアゼピン系の抗不安薬がよく用いられます。

<浸透圧利尿剤>

メニエール病に用います。内耳を満たす内リンパの過剰による内耳のむくみを軽減します。通常、内リンパの量は一定に保たれていますが、増え過ぎると内耳が正常に働かず、めまいや耳鳴り、難聴などの症状が起こります。
  薬品名:イソバイド

<筋弛緩剤>

頸性のめまいに用います。筋肉の緊張状態をやわらげます。
  薬品名:テルネリン・ミオナール・リンラキサーなど

<ステロイド剤>

神経の炎症やめまいに伴う難聴を改善します。
 薬品名:プレドニンなど

<ビタミン剤>

神経の働きを正常に保つビタミン(ビタミンB12)によって、障害を受けた神経を修復します。
   薬品名:メチコバールなど

薬による治療では改善せず、頻繁にめまいが起こり日常生活に支障をきたす場合には、外科的な手術が行われる事もあります。めまいの原因となる神経をとり除いたり、過剰な内リンパを排出する手術や、耳の奥に薬を直接注入する事もあります。また、体のバランス感覚を取り戻すために、眼や頭を動かしたりする平衡訓練を行う事もあります。



◇ めまいの対処法

めまいは、ストレスや生活のリズムの乱れなどがあると起こりやすくなります。そのため、日常生活の改善もとても大切です。また、めまいが突然起こった時には、だれでもパニックに陥りがちですが、慌てずに以下の対処法を守り、医師の診察を受けましょう。

<日常生活での注意点>



食事は規則正しく・バランス良く摂りましょう。
栄養不足により血行不良となり、めまいを起こしやすくなります。


お酒はほどほどにしましょう。

お酒は脳の機能を低下させるので、ふらつきが悪化する可能性があります。



コーヒーの飲みすぎに注意

飲み過ぎると、コーヒーに含まれるカフェインの作用によって興奮したり、夜中にトイレに起きたりするようになって眠れなくなる事があり、生活のリズムをくずす原因となります。リラックスする程度の量を楽しんでください。酒は脳の機能を低下させるので、ふらつきが悪化する可能性があります。



タバコは控えめに、できれば禁煙を

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ血液の循環を悪くするので、めまいを起こしやすくなります。



睡眠は十分にとりましょう。

睡眠不足は体調を崩す原因です。十分な睡眠・休養をとりましょう。生活のリズムを整えるためにも、できるだけ同じ時間に就寝・起床するようにしましょう。


ストレスをためないようにしましょう。

ストレスをためないように、趣味を楽しむなど気分転換の方法を見つけ、ストレスを減らすように工夫しましょう。


<めまいが起こってしまった時には>



慌てずに、気分を落ち着けましょう。

不安感により、よけいにめまいを悪化させることがあります。慌てずに落ち着いて対処しましょう。


安静にして、めまいが治まるのを待ちましょう。

その際には、「頭を動かさず、楽な姿勢をとる」「衣服を緩めて横になる」「静かな部屋で、目を閉じて安静にする」「動くものを見つめない」「振動や動揺を避ける」などを守りましょう。


頓服薬を飲みましょう。

あらかじめ、医師によるめまい発作時の薬が処方されている場合は、その薬を飲んで下さい。



まとめ

めまいは頭痛・腹痛などと並び最も多い症状のひとつです。めまいの発作が起こっている時には、本人だけでなく、ご家族の方も不安に感じることでしょう。しかし、不安な気持ちは、めまいをさらに悪化させる悪循環となることはすでに述べましたね。めまいが起こったら、慌てず落ち着いて安静を保つのが一番です。また、耳が詰まった感じ・耳鳴り・耳の聞こえが悪いなど、めまい発作の前兆と思われる症状があるときは、自分で気を付けるだけでなく、ご家族にも話しておきましょう。また、めまいにも稀に危険な病気が潜んでいることがありますので、めまいを甘く見ないで、医師に相談するようにしましょう。ストレスや疲れ・生活習慣病もめまいの原因となりますので、日常生活も見直しながら、めまいと上手く付き合って下さい。


アルバ薬局  大久保店
薬剤師  佐野 久美子


ご 挨 拶



2006年もあと僅かとなりましたが、地球温暖化のせいか、12月にもかかわらず比較的暖かい日が続いております。今年は、全国各地でノロウィルスが猛威を振るい、罹患者数が過去最高となり大変驚いております。また、年末にかけて寒波が来襲するとの報道もあり、インフルエンザにも注意が必要です。手洗い・うがいなどの慣行を心がけ、インフルエンザに罹らないようにしてください。まだインフルエンザワクチンを接種していない方は、是非接種することもお勧めします。
さて、私事ではありますが、来年4月1日に神戸市東灘区にあります甲南病院前に『アルバ薬局 甲南病院前店(仮称)』の開局を予定いたしております。アルバ薬局グル−プといたしましては、10店舗目の薬局を開局する運びとなりました。これもひとえに皆様のご愛顧の賜と心より感謝いたしております。
アルバ薬局グル−プでは、地域に密着した薬局として皆様に安心してお薬を服用して頂けるよう『質・安全性・透明性』を重視した薬局運営をめざしております。調剤薬局としてできること、しなければならないことを、地道にこつこつではありますが、社員一同努力してまいる所存でございます。今後とも一層のご愛顧賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
時節柄くれぐれもお体ご自愛の上、佳き2007年をお迎えください。
ありがとうございました。


株式会社 アルバ
代表取締役 横田 裕昭


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