アルバ会社説明会



第63号 予防接種について

2007/01/30

目次:

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“予防接種について”

今回の処方せん豆知識は、『予防接種』についてお話します。予防接種については、処方せん豆知識第33号「小児に多い感染症」(参照)でも触れていますが、さまざまな感染症に対するワクチンが普及したことにより感染症の流行防止に大きな成果をあげています。今回は、予防接種についてもう少し詳しく説明することにします。



◇ 予防接種とは

予防接種についてお話しするにあたり、まず人体の防御反応について簡単に触れることにします。
私たちの体は自分以外の異物(抗原)が体内に侵入したときに、その異物を排除するための特殊なたんぱく質(抗体)を作ったり、特異的に対応するリンパ球を増やしたりすることで、その異物を排除しようとします。このような防御反応のことを「免疫反応」といいます。
初めてウイルスや細菌によって感染した時には、免疫反応が間に合わず症状が出てしまうことがよくあります。しかし、2回目に同じ病原体に感染したときからは、体には免疫反応による防衛体制の記憶が残っていますので、発病する前に病原体をやっつけることができるようになります。この免疫反応を利用したものが予防接種です。

つまり、予防接種とは、感染症の原因となる病原体を、あらかじめ病気を起こさない程度に体の中に入れて、体内で病気にかかったのと同じ反応を起こさせ、その病原体に対する免疫力(抗体)をつくることを目的としています。

予防接種に用いる予防接種液のことを「ワクチン」といいます。次にワクチンについてご説明します。



◇ ワクチンの種類と特徴

「ワクチン」には大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴と主なワクチンをまとめると以下のようになります。

種 類 特 徴 主なワクチン
生ワクチン 生きているウイルスや細菌の毒性や発病力を弱めて作ったワクチン。
接種後に得られる免疫は強く、通常1回の接種により有効ですが、2006年4月より麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)は2回接種となっています。
麻疹風疹混合(MR)・おたふくかぜ・ポリオ・BCG・水痘(水ぼうそう)など
※違う種類のワクチンを接種する場合は27日以上間隔をあける
不活化ワクチン ウイルスや細菌等の病原性を消失または無毒化して作ったワクチン。
生ワクチンに比べて安全性は高いのですが、十分な免疫を得るためには数回接種する必要があります。
日本脳炎・DPT三種混合・インフルエンザ・B型肝炎など
※違う種類のワクチンを接種する場合は6日以上間隔をあける
トキソイド 菌がもつ毒素によって病気が引き起こされるものは、菌の毒素だけを取り出し、無毒化して作ったワクチン。安全性の高いワクチンですが、
十分な免疫を得るためには数回接種する必要があります。
ジフテリア・破傷風など
※違う種類のワクチンを接種する場合は6日以上間隔をあける


◇ ワクチンで予防可能な疾患と接種時期について

A型肝炎 B型肝炎 水痘
天然痘 インフルエンザ 日本脳炎
黄熱 おたふくかぜ 肺炎球菌感染症
狂犬病 百日咳 破傷風
結核 コレラ 風疹
ジフテリア ポリオ 麻疹(はしか)

予防接種には、予防接種法によって対象疾患、対象者および接種期間などが定められた定期の予防接種(結核予防法によりBCGも含む)と、それ以外の予防接種(任意接種)があります。
定期接種のスケジュールを確認し、予防接種のし忘れのないようにしましょう。

<定期接種>
対象疾病(ワクチン) 対象年齢 標準的な接種年齢 回数
ジフテリア
百日せき
破傷風
沈降精製
DPT
ワクチン
1期初回:
生後3〜90月未満
1期初回:
生後3〜12月
3回
1期追加:
生後3〜90月未満
(1期初回接種終了後、6カ月以上の間隔をおく)
1期初回接種(3回)終了後12〜18月 1回
DTトキソイド 2期:
11〜13歳未満
2期:
11〜13歳未満
1回
ポリオ 生後3〜90月未満 生後3〜18月 2回
麻しん・風しん
(乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン:MR)
1期:
生後12〜24月未満
1回
2期:
5歳から7歳未満で就学前1年間
1回
日本脳炎 1期初回:
生後6〜90月未満
1期初回:3歳 2回
1期追加:
生後6〜90月未満
(1期初回接種終了後、概ね1年おく)
1期追加:4歳 1回
2期:
9〜13歳未満
2期:9歳 1回
インフルエンザ 65歳以上の者
60歳以上65歳未満で、心臓、腎臓又は呼吸器に重い病気を有する者
毎年
1回
結核(BCG) 生後6月未満 1回

*1日本脳炎の予防接種について
平成17年5月30日に厚生労働省から、県及び市町村に対し、日本脳炎ワクチンによる定期の予防接種においては、積極的な勧奨をしないよう通知が出されました。 これは日本脳炎ワクチンの接種により副反応である急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が発生した事例で、ワクチンと副反応に因果関係が認められたためです。 ただし、本人及び保護者が強く希望し、副反応について十分に理解のうえ同意した場合は、定期の予防接種として接種できます。 詳しくはお住まいの市町村へお問い合わせ下さい。

<任意接種>
対象疾病(ワクチン) 対象年齢 回数
インフルエンザ
全年齢(定期対象年齢を除く) 1回
または
2回
おたふくかぜ 1歳以上の未罹患者 1回
水痘
1歳以上の未罹患者 1回
B型肝炎
1. HBe抗原陽性の母親から生まれたHBs抗原陰性の乳児
2. ハイリスク者
医療従事者、腎透析を受けている者など
3回
A型肝炎 16歳以上 3回
肺炎球菌感染症 2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い個人及び患者 1回
黄熱 生後9か月以上で、アフリカ及び中南米の黄熱流行地もしくは流行が予想される地域への旅行及び滞在者 1回
肺炎球菌感染症 全年齢 曝露前
3回
曝露後
6回


◇ 予防接種を受ける前の注意

予防接種は体調のよい時に受けるのが原則です。日頃から保護者の方はお子さんの体質、体調など健康状態によく気を配って下さい。気にかかることがあれば、あらかじめかかりつけ医や保健所や市町村担当課に相談して下さい。

当日は以下のことに注意し、当日予防接種を受けるかどうか判断して下さい。
痛な普段と変わったところのないことを確認し、体調が悪いと思ったらかかりつけ医に相談して下さい。
受ける予定の予防接種について、市町村からの通知やパンフレットをよく読んで、必要性や副反応についてよく理解しましょう。
母子健康手帳は必ず持って行きましょう。
予診票は責任を持って記入しましょう。
予防接種を受けるお子さんの日頃の健康状態をよく知っている保護者の方が連れて行きましょう。


◇ 予防接種を受けた後の注意

予防接種を受けたあと30分間は医療機関でお子様の様子を観察するか、医師とすぐに連絡を取れるようにしておくようにしましょう。急な副反応が起こることがあります。
受接種後、生ワクチンは4週間、不活化ワクチンでは1週間は副反応の発現に注意しましょう。
接種部位は清潔にしましょう。入浴は差し支えありませんが、接種部位をこすらないようにしましょう。
当日は激しい運動は避けましょう。
接種後、接種部位の異常な反応や体調の変化があった場合は、すぐに医師に相談しましょう。



◇ 各ワクチンの注意事項

◆DPTワクチン:沈降精製百日ぜき・ジフテリア・破傷風混合ワクチン

接種した日に発熱することがありますが、1〜2日で下がります。

20〜50%の人に接種後2〜3日または1週間頃に注射部位が赤くなったり、腫れることがありますが2〜3日で消えます。

まれに腕全体が腫れることもありますが、腫れがひどく、かゆみや痛みが強い時は冷やして下さい。それでも良くならない時は医師に相談して下さい。

注射部位にしこりが残ることがありますが、1〜2ヶ月で消えます。


◆MRワクチン:麻疹(はしか)・風疹ワクチン

95%以上の人が免疫を得ることができます。

注射部位が赤くなったり、痛んだり、少し熱を持つことがありますが、いずれも2〜3日で消えます。

接種1週間頃から38℃前後の熱が出ることがありますが、熱のわりには元気で、2〜3日で下がります。

発熱した人には発疹がパラパラと出ることがありますが、2〜3日で消えます。

熱性けいれんをおこしたことがある人は、熱を測り、発熱すれば坐薬を使うなど、医師の指示に従いましょう。


◆日本脳炎ワクチン

注射部位が赤く腫れたり、発熱や頭痛がおこることがありますが、2〜3日で消えます。


◆BCG

接種後2〜3週間で針の跡が赤くふくらみ、1ヶ月ぐらいでウミを持つようになります。その後かさぶたになり、かさぶたが落ちるときれいになります。ばんそうこうや包帯はしないで下さい。

熱が出るなどの副反応はありませんが、ときには脇の下のリンパ節が腫れることがあります。ほとんどが2〜3ヶ月で消えますが、大きくなるようなら医師にして下さい。


◆流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチン

接種したにもかかわらずかかる人がいますが、多くは軽くすみます。

熱が出るなどの副反応はありません。

2〜3%の人に接種後2〜3週間頃に耳の下が軽く腫れることがありますが、1〜2日で消えます。


◆水痘(みずぼうそう)ワクチン

接種したにもかかわらずかかる人がいますが、多くは軽くすみます。

熱が出るなどの副反応はありません。

みずぼうそうの人と接触してから72時間以内にこの予防接種を受ければたいてい発病せずにすみます。


◆急性灰白髄炎(ポリオ)

予防接種を受けてから1ヶ月くらいは、ウィルスが便の中に排泄されています。おむつなどを交換した後は、便の処理をきちんと行い、必ず手洗いをしましょう。

ワクチンを飲んだ直後(30分以内)に吐き出した時は、もう一度投与を受けてください。ワクチンを飲んだあとのうがいも30分くらいは控えましょう。

激しい運動は避けてください。入浴はかまいません。




まとめ

予防接種は、本文でも述べましたように、ウイルスや細菌に何らかの方法を加え、発病しないようなものに変えて接種するものです。従って、予防接種をすることで、軽くその病気にかかってしまったり、湿疹(しっしん)がでたり、接種した場所が腫れたりすることがあります。これらを副反応といいます。この副反応が心配で、予防接種に対して消極的になっている場合もあるかもしれませんが、その病気にかかったことを考えると、やはり予防接種を受けるべきではないでしょうか。
しかし、一人ひとり体質やその日の体調などには違いがあり、副反応のでかたにも違いがあります。ご心配なことがある場合は、主治医の先生と十分ご相談されることをお勧めします。
子どもは病気にかかりやすく、かかると重くなることがあります。病気が流行すると、子どもだけでなくそれを取り巻く社会・環境も大きな損失をこうむることにもなりかねません。お子さんを恐ろしい病気から守るために、予防接種を正しく理解し健康にお役立てください。


相生薬局 
薬剤師  友國 悠子


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