痔は肛門のさまざまな病気の総称で、その病気が発生する場所によって、名称・症状が異なります。
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| ■ 痔核(じかく) |
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肛門をしっかり閉じておくためのクッションの部分には、細かい動脈や静脈が網目のように集まっています。この血管1本1本がふくらんでこぶ状になったものや、クッションを支えている組織が弱まったり断裂したりして垂れ下がったものを痔核といいます。形がいぼに似ていることからいぼ痔(いぼじ)とも呼ばれます。
痔核の主な原因は、肛門部への負担による血行障害と炎症です。便秘や下痢による排便の異常・排便時のいきみの繰り返し・長時間の同一姿勢によるうっ血・連続する力仕事・出産・過度のアルコールや香辛料の摂取などがあげられます。
痔核はできる場所によって、内痔核(ないじかく)と外痔核(がいじかく)に分類されます。
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| 内痔核(ないじかく) |
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歯状線より上の直腸部分にできる痔核を内痔核といい、痔核の8割を占めます。多くの場合、排便時に真っ赤できれいな血が出ることで気づきます。便に血が混じっていたり、トイレットペーパーに血がついたりする程度から、ぽたぽたと出たりほとばしり出たり大量に出血することもあります。
内痔核は進行状態により4つに分類されます。
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| 1) |
第1度 |
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痔核が肛門の中でふくらんでいる程度で、排便しても脱出(脱肛:だっこう)することはありません。排便時に出血がみられますが、痛みはありません。 |
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| 2) |
第2度 |
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痔核が排便時に肛門の外に出てくるようになりますが、排便後は自然に戻る状態です。出血とともに痛みも生じてきます。 |
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| 3) |
第3度 |
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排便時に脱出した痔核が、自然には戻らず指で押しこむと戻る状態です。ひどくなると、立ち上がったり咳をしたりしておなかに力が入ったとき脱肛することもあります。出血と痛みがあります。
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| 4) |
第4度 |
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痔核が脱出したままで、指で押し込んでも肛門内に戻らなくなった状態です。痔核は固くなり、出血も痛みもなくなります。 |
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| 外痔核(がいじかく) |
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外痔核は、歯状線より下の部分にできるものをさします。慢性の炎症で徐々に大きくなったものは、突起するだけで痛みや出血はありません。しかし、突然血栓をともなって生じたものは強く痛み、ときに皮膚が破れて出血することがあります。これは血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)とよばれるものです。
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| ■ 裂肛(れっこう) |
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歯状線より下の肛門上皮(こうもんじょうひ)が切れた状態で、切れ痔(きれじ)、裂け痔(さけじ)とも呼ばれます。激しい痛みや軽い出血をともないます。痛みを感じると、反射的に内肛門括約筋がけいれんを起こし、切れた部分に刺激を与えるため、排便のあともしばらくじーんとした痛みが続きます。
裂肛の多くは、便秘などでかたくなった便を無理に出そうとすることが原因となります。また、痛みのために排便を我慢するようになると、腸にとどまった便から水分が吸収されて、便はますますかたくなってしまいます。さらに、一度切れた部分をかたい便が何度も傷つけると、切れた部分はどんどん深くなって慢性化します。最終的に肛門狭窄(こうもんきょうさく)となると、便が細くなったり出にくくなったりします。
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■ 痔瘻(じろう)
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歯状線の周囲には、8〜12個の肛門陰窩(こうもんいんか)という小さなくぼみがあります。そのくぼみから大腸菌などが逆流して入り込み、肛門陰窩につながる肛門腺(こうもんせん)などが感染を起こすことで化膿し、肛門の周囲に膿がたまった状態を肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)といいます。膿がたまっているので腫れるほか、排便に関係なくズキズキと強く痛み、38〜39度の発熱をともなうこともあります。
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その膿が皮膚を破って出ることで炎症がおさまると、後に瘻管(ろうかん)と呼ばれる管が残ります。これが痔瘻です。
肛門周囲膿瘍が悪化して痔瘻に進行することが多いといわれています。肛門の内と外がトンネルでつながった状態になるので、いつでも繰り返し瘻管から膿が出たり、膿が中にたまって痛んだりします。
原発巣がある限り、痔瘻は放置しておいても自然に治ることはなく、瘻管は枝分かれして複雑化していきます。また、痔瘻を長い間治療せずに放っておくと肛門ガンにつながることもあるため、痔瘻の治療には手術を行います。 |