アルバ会社説明会



第87号 ドライアイ

2010/1/29

目次:

※ご覧になる項目を上の目次よりお選び下さい。


ドライアイについて

近年、ドライアイの患者数が急増しているといわれています。特に先進国で多く、私たちの生活の中には、ドライアイの原因となる要素がたくさんあります。パソコンやテレビ、携帯などの普及、冷暖房による空気の乾燥、コンタクトレンズの使用などにより起こるドライアイは、現代病の一種といえるでしょう。
推定患者数は、日本国内で約800万人といわれていて、オフィスワーカーの約30%、コンタクトレンズ装用者の約40%、高齢者の約74%、眼精疲労患者の約74%がドライアイ患者であるといわれています。
ところが、眼に違和感や異常を感じていても、それがドライアイであると気づいていない人は少なくはないといわれています。
眼が乾く・眼がごろごろする・眼がしょぼしょぼする・眼がしみる・眼がヒリヒリする・涙が止まらない・眼が痛い・視界がかすむ・何か違和感があるなどの症状のある人は、ドライアイかもしれません。


◇ ドライアイの定義

ドライアイの定義は、さまざまな要因により目の表面を覆っている涙の量が減少する、または成分が変質することで角膜(黒目部分)や結膜(白目部分)に障害が生じる慢性疾患とされています。


◇ ドライアイの自覚症状

目が疲れる・目がかすんで見える・目がごろごろする・なんとなく目に不快感がある・目が乾く・目が痛い・目やにが出る・目がかゆい・目が重く感じる・目が赤くなりやすい・光をまぶしく感じやすい・理由もなく涙が出るなどさまざまです。
ドライアイの自覚症状は目が乾くだけではありません。



◇ ドライアイの原因

ドライアイには大きく分けて2つのタイプがあります。涙の分泌量が減少するタイプと涙の分泌量は正常でも蒸発がすすんで目が乾くタイプです。
涙と瞬きは、ドライアイにおいて、重要な役割をもちます。

☆涙の働き

1. 眼の表面を乾燥から防ぐ

2. 異物を流し洗浄する

3. 殺菌
涙には殺菌作用のある成分が含まれています。
4. 栄養・酸素の補給
角膜には血管が通っていないため、血液を通して栄養や酸素を補給することができまいため、代わりに涙が栄養や酸素を送る働きをしています。

☆涙の構造

涙は3つの層に分かれていて、外側から油層・水層・ムチン層(粘液)となっています。角膜を直接覆うムチン層は角膜から分泌される粘液で、角膜の表面を濡れやすくします。その上に水の層(涙液)があり、これが涙の大半を占め、酸素や栄養分を供給し細菌の侵入を防ぎます。一番外側にあるのが油の層で涙の蒸発を防ぐ役割があります。

☆瞬き(まばたき)の役割

瞬きは、目の表面にある涙を流し出し、新たな涙で目を潤わす働きがあります。また、瞬きをすることで、角膜が刺激され、涙腺からの涙の分泌が促されます。
涙は網目状の薄い膜となり、それが目の表面を覆っていますが、瞬きをしなければ、涙の膜が壊れたり、涙が蒸発しやすくなったり、涙の分泌が低下したりします。


◇ 涙の分泌量が減る原因

1. 不規則な生活やストレス

2. 病気

シェーグレン症候群
唾液腺や涙腺などの外分泌腺の障害により、口腔や眼球の乾きが起こる。

関節リウマチ

3. レーシック手術
レーシック手術後しばらくは目が乾きがちになることがありますが、これは一時的なもので慢性的なドライアイになるということはないとされています。

4. 加齢(歳をとると、涙の分泌が低下します)

5. 一部の抗コリン作用をもつ薬の影響

6. 瞬きが少ない、きちんと瞬きしていない(涙の分泌が減る)

7. コンタクトレンズの使用(瞬きが不完全になることで、涙の分泌が低下する)


◇ 涙の蒸発が増える原因

1. 涙の質の低下(いろいろな原因で、涙の三層が減少する)
油層が減る→涙の蒸発が増える
水層が減る→角結膜が乾燥し傷む
ムチン層が減る→涙を保持できない

2. 目が大きい(目の表面が乾燥しやすい)

3. 空気の乾燥(涙が蒸発しやすい)

4. 瞬きが少ない、きちんと瞬きしていない(涙が蒸発しやすい)

5. コンタクトレンズの使用(レンズの汚れや傷により涙の膜が不安定になる。)

6. 生活環境(パソコン・テレビ・読書→瞬きがへる)

7. アイメイク(蒸発を防ぐ油分を分泌するマイボーム腺がつまる)
マイボーム腺
まつ毛の生え際の内側に整列している小さな点のようなもの。油分を分泌し、涙の成分に油分を加え、油層を作って涙の蒸発を防いでいます。

8. 病気
●マイボーム腺機能不全
●結膜炎など


◇ ドライアイの診断

ドライアイは、自覚症状・涙の異常・角結膜上皮障害の3項目で診断されます。

●視力検査 ドライアイだけでなく、視力の低下から他の疾患の有無もチェック

●シルマー検査 涙の量を調べる

●BUT検査 涙の質を調べる

●フルオレセイン染色 角結膜の傷を調べる検査。正常人の角膜はつるつるしていますが、ドライアイの人は試薬を点眼すると、表面にぶつぶつが浮き上がっているように見えます。

●ローズベンガル染色 角結膜の乾燥を調べる。ムチン層のない、乾いた部分が赤く染色されます。

また、最近では、自動診断装置(TSAS)を使い、10秒程度で診断出来るようにもなりました。



◇ ドライアイの治療

1. 点眼薬

<涙に近い成分の人工涙液>

ドマイティア点眼液

ソフトサンティア点眼液

<ヒアルロン酸を含む角膜治療効果のある点眼薬>

ヒアレイン点眼液

ティアバランス点眼液

2. 涙液プラグ

点眼薬でコントロール出来ない場合は、涙の排水口である涙点を閉じて、涙の排出を抑えることで、涙を目の表面に蓄える方法があります。
涙点プラグはまぶたにある涙の流出口(上涙点・下涙点)に差し込みます。ドライアイの程度により、下涙点のみふさぐか、上涙点と下涙点両方ふさぐかを決めます。

3. 目の温熱療法
4. 保護メガネ
フード付きのメガネは、涙の蒸発を防ぎます。風よけの効果と同時に、フード内に蒸気がたまり保湿効果も得られます。

5. 自己血清の点眼
血清は成分が涙と似ているため、角結膜障害の治療に有効です。


◇ ドライアイの治療の注意点

<点眼治療の注意点>
ドライアイの自覚症状は、点眼を続け角膜中央部の傷が治癒するとかなり改善します。
しかし、ドライアイが治ったと思って点眼回数を減らしたり中断したりすると、また直ぐに悪化します。
医師の指示に従い、きちんと治療を続けることが大切です。

<日常生活での注意点>
ドライアイの予防には、目の環境を整えることです。
1. パソコンの環境を整える。

長時間、パソコンの画面に向かう場合は、パソコンの画面を目よりも下にし、画面に照明や窓の光が映りこまないように画面が見やすい環境を整えましょう。
2. エアコンの風が直接目に当たらないようにする。
3. 加湿器を置くなど、空気の乾燥から守る。
4. 意識して瞬きをする。
5. こまめに目を休ませる。
長時間、目を使う仕事の人は、途中に違う仕事を挟んだり、休憩時間に蒸しタオルで目を温めるなど、目を休憩させるようにしましょう。
6. コンタクトレンズの使用を控える。
目に充血などの違和感を感じるときは、使用を控えメガネに切り替えるようにしましょう。

まとめ

きちんと眼科にかかりましょう。
ドライアイは、慢性疾患です。ただ、目が乾くだけの軽い病気だと思われがちですが、ドライアイだと思って放っておくと、実は重い病気が隠れていたり、アレルギーや炎症を引き起こす原因になることもあります。
また、目が乾いているだけではなく、目の表面に傷が出来ているため、直ぐによくなる病気ではありません。
適切な診断と治療を、眼科で受けるようにしましょう。

アルバ局  甲南病院前店
管理薬剤師  中嶋 りつ子


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